「加害者に語らせてはいけない」護られなかった者たちへ KQさんの映画レビュー(感想・評価)
加害者に語らせてはいけない
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生活保護を巡るジレンマや厳しい現実を、震災を背景に描いた作品。
登場人物が悲しみを抱えてそれぞれの人生を一生懸命に生きる様子には同情して胸が詰まった。メインキャスト3名の迫真の演技にも拍手を送りたい。
一方で、この映画の主題は何だったろうか。護られない生活困窮者がいるという現実、そして公共のセーフティネットの限界、それによって変わってしまったそれぞれの悲しき人生であろう。だとするならば、「護られなかった者たちへ」というメッセージをなぜ加害者に語らせたのか。暴力による復讐を実行してしまった彼女に。たとえその気持ちに嘘が無かったとしても、誤った行為と考えを否定した上でなければ、そのメッセージには正義がないではないか。
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