「三人でうどんをすするシーンに涙」護られなかった者たちへ MKさんの映画レビュー(感想・評価)
三人でうどんをすするシーンに涙
初めて劇場で2回観ました。2回目は付き添いでしたが、初回を観てから頭から離れられない作品で、もう一回観たいと思いました。
1カット1カットに妥協しない瀬々監督と瀬々組の実力派俳優陣による傑作だと思います。
生活保護のスティグマを描写する社会派ミステリー作品でありながら、何よりもヒューマン作品でした。素晴らしいの一言です。実際の福祉行政の現場に存在する善悪の葛藤や疲れが遜色なく描かれてました。
佐藤健さんの魂の演技、圧巻でした。役柄らしい目つき顔つきや素行、その中で垣間見えた笑顔、本当にすごいです。難しい役柄を演じた清原果耶さん、感情豊かなお芝居の素晴らしさにグッときました。子役の石井心咲さんも良かったです。
そして、悲しみを心の底に押し殺して生きる役柄の阿部寛さん、倍賞美津子さんの慈愛あふれる一挙手一投足。佐藤さん、倍賞さん、石井さんたちが一緒にうどんを食べるシーン、倍賞さんと佐藤さんのシーン、予告にもある避難所での迫真のシーン、阿部さんと佐藤さんの二人のラストシーン等、全て心から泣けました。
悲しんでいる人がいたら抱きかかえていこうと思える、そんな素晴らしい作品をありがとうございました。
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