劇場公開日 2021年10月1日

  • 予告編を見る

「魂が泣いた」護られなかった者たちへ みみずさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5魂が泣いた

2021年10月9日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

幸せ

エンドロールは泣いたことを隠すためのものなのに、
サザンの曲が流れてまた涙が溢れた。
こういうの困るんだよね、明るくなった時。

散々驚愕のラストに涙すると聞かせられたので、
おそらく真犯人はあの人と想像していた。
そして、やっぱりの結果だったので、
ミステリーとしては3.5。

私としてはラストの佐藤と阿部のシーンが心に刺さった。
黄色いジャケットの意味が明らかになり、
阿部がお礼を言うシーンでは思わず嗚咽が漏れそうになった。
震災時福島にいた私としては、
常々放射能汚染に比して津波被害が軽く扱われている気がしてならなかった。
放射能汚染で直接的に亡くなった方はいないが、
津波では非常に多くの方々が命を失っている。
阿部のように今でも家族を失った傷が未だに癒えない方々や、
佐藤のように目の前の命を救えなかった自責の念に苦しむ方も多かろう。
改めて人々の思いが胸に迫った。
よって、ヒューマンドラマとしては4.5。
それにしても放射能被害者への手厚い補償に対して、
津波被害のそれの貧弱さはどうにかならないものだろうか。

佐藤、阿部両者の演技は見応え十分。
アカデミー賞の主演、助演はぜひこの2人にと思わせられた。

コメントする
みみず