「人と人が織りなす複雑な社会生活」護られなかった者たちへ okbyさんの映画レビュー(感想・評価)
人と人が織りなす複雑な社会生活
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東日本大震災が生み出した人災(生活保護受給)にフォーカスを当てた作品。
原作は読んでいませんが、この映画は絶対に観ようと思い公開初日に映画館へ。
私は埼玉県の東日本大震災で被害を受けた方々が沢山移り住んできた地域にある映画館に足を運びました。周りはお年寄りの方が大半を占めておりおそらく被害を受けた方もいたのではないかと。劇中に遺体が安置された映像が流れるとどこからか嗚咽混じりの泣き声が聞こえできました。もしかしたら当時の事を思い出したのかもしれません。
作品の感想として、護りたい護ってほしい護った護られなかったというのは人それぞれであり、人々の思いや行動がすれ違い、どこにもぶつけようがない憎しみが誤った形を作る。利根の「死んでいい人なんていない」という言葉に全てが集約されているようにどんな人間であっても生きている意味がある。そう思える為には自分の身を守る、大切な人を守る為にこの国の子供達を愛し大切にしなければならないと言うこと。愛を持った子供達はきっと他人を尊重できるから。この映画のタイトルでもある護られなかった者たちというのは全員に当てはまるようにも思えた。
そして最後のシーンは全てをのみこんだ海が皮肉にも蒼然と美しくさえ思ってしまう様は生命の原点を彷彿させ命が還っていったのだと思わせるほどに生命を感じずにはいられなかった。
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