「まってました〜!史郎さん&賢二さん!」劇場版 きのう何食べた? M hobbyさんの映画レビュー(感想・評価)
まってました〜!史郎さん&賢二さん!
原作のよしながふみさんのファンで、漫画からドラマから大変楽しませて頂いておりました本作、ついに劇場版を鑑賞!!!
ほのぼのしているというか、なんせ爽やかなんです。
漫画の雰囲気も壊すことのない配役に、ドラマの時から実写化された、美味しそうな料理の数々にいつもヨダレがでそうなのを堪えてクッキングシーンを楽しんできました。
原作を読んでいるとハッとさせられる台詞が盛り沢山だったのですが、今回の劇場版でもそこは変わらず。
ただ、ゲイのカップルを題材にした映画をこんなに爽やかな気持ちで鑑賞できたのはもしかして初めてかも〜と思うくらい、随所に大切な言葉、メッセージ、問いかけが散りばめられていました。
年齢も若いわけではない史郎さんと賢二さん。
二人のやり取りが可愛すぎて、ニヤニヤが止まりませんでした。でも、大人なカップルだからこその家族の問題やこの先のこと。
ただし、二人が直面している様々なことは、ヘテロカップルであっても同じよねと思ったり、ホモセクシャルだからこそこうやって描くのかーと考えさせられたり。
とにかく鑑賞中は終始、生きるということ、人を愛するということ、大切な誰かを大切にすることなどなどいろんなことが重すぎず、軽すぎず。抜群のタイミングでボールが飛んで、自分の心にスッと入り込むようなそんな気持ちでした。
ヘテロカップルが主人公やと、絶対ここでキスするやろな、とか、結婚云々とかの話になるんちゃう?とか、せめて抱きしめあったりするんちゃうか?と思いがちなシーンがこの二人だとそうならないのもとても好きなところでした。
二人のそれぞれの家族もしっかりと描かれていたし、演技の上手い役者さんが揃って出演されているので安定感バッチリ。子供の幸せを願う親御さん達にジーンときました。
思わず涙がでたのは、いつも冷静な史郎さんが、賢二に弱さを見せたシーン。"こわかった"と大切な人を失うんじゃないかと言う不安に心が潰されそうになった史郎さんをみて、史郎さんのことがもっと好きになった。
史郎さんと賢二さんのように、お互いを尊重して愛し合っている二人を見て、我が身を振り返り、もっと家族を、夫を大切にしないとねと思いました。