「大好物」劇場版 きのう何食べた? ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
大好物
ドラマ版は4話まで鑑賞。原作は未読です。なので完全にわか状態で劇場に凸りました。
初日の昼間、祝日と重なり満員御礼の盛況っぷり。年齢層も幅広く、初日の興行収入もかなり良かったみたいなので大ヒットが期待されます。
なのですが、自分としては少々乗れなかったなと思う場面が多かったです。もちろん良い映画ですし、好きだなーと思える部分もあったのですが、どうにも何か引っかかってしまいました。
まず良いところを。この作品物語の筋としてBLというジャンルを組み込んでいるのですが、同性同士の恋愛に抵抗を覚えてしまう人(映画の中でもシロさんのお母さんがソレ)もいるはずですが、今作はそこに違和感を覚えさせない作りになっているのが素晴らしいです。性行為をするシーンなんて全くないですし、せいぜい手を繋ぐくらい。BLとなると過激な濡れ場で役者の演技を際立たせる作品が多いのですが、今作はありのまま、自然体を見せているので見ていてとてもほっこりする気持ちになります。これは原作からドラマ、そして映画へ引き継がれたナイスなバトンだなと思いました。
次に飯テロ映画としての需要。今作品のご飯はどれも美味しそうでした。リンゴのカラメルスライスにハーゲンダッツをのせるなんて豪華な事を朝から…朝からやるなんて贅沢…だけどしてみたい!なんて妄想を実現してくれた料理の映像にはよだれがでちゃいますし、ブリ大根にローストビーフ、締めの肉団子とヨダレどばどばな料理がたくさん出てきます。映画になるとここが疎かになってしまうのではと懸念していましたが、ちゃんと軸に据えているので一安心です。
で、ここから引っかかった部分のお話。やはり元がドラマベースという事もあり、ドラマ的演出が多く見られたなと思いました。先程の飯テロシーン、ドラマの演出をそのまま持ってきており、ナレーションベースで説明したり、たまに口に出して説明したりとこれはレシピ映画だなと思いました。どうしてもこのスタイルには違和感を覚えざるを得なかったです。
あとワタルくんのセリフや行動にはイマイチ共感できませんでした。孫が必要とか人を困らせるとか、物語的には少しノイズになっている感じが否めませんでした。磯村くんの演技力が素晴らしいのもあってそう思ってしまいました。あと田渕くんも礼儀がなってなくて正直嫌いです笑
と、ファンの方には大満足、爆笑もおきていましたが、映画らしさが無くて少し物足りない感じがなかったです。ただ、ドラマとしては面白いなと改めて感じたので、ドラマと原作を楽しんでいこうかなと思います。
鑑賞日 11/3
鑑賞時間 12:00〜14:15
座席 O-9