劇場公開日 2021年11月3日

「内野聖陽の演技力に驚きつつ、自然と世界観に入り込め、主人公らと将来、そして今を生きる大切さのようなものを考えられる作品。」劇場版 きのう何食べた? 細野真宏さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0内野聖陽の演技力に驚きつつ、自然と世界観に入り込め、主人公らと将来、そして今を生きる大切さのようなものを考えられる作品。

2021年11月2日
PCから投稿

ドラマ版も原作マンガも読んでいなく、いきなり映画からついていけるのかという心配もありましたが、事前にうっすらと「BL系の作品」というのを聞いていたため、それだけで情報は十分でした。
「劇場版」ではありますが、スタッフやキャストは良い意味で「平常心」で、きっとドラマ版も似た雰囲気なのだと思われます。
まず、西島秀俊が演じるシロさんは、普段と全く変わらずでしたが、内野聖陽が演じるケンジには、思わず「えっ」と呟きました。なぜなら私の中での内野聖陽は、「臨場」での警視庁刑事部鑑識課・倉石でイメージが固まっていたため、あまりのギャップに当初は驚きました。
ただ、むしろ、こっちの方が実際に近いのでは、と思うくらいにハマっていて、自然と笑いを誘えるケンジというキャラクターになりきっていました。
山本耕史と磯村勇斗も良い味を出していて、劇場版からの新キャラクターの松村北斗も自然体ながら上手く世界観に溶け込んでいます。
通常の恋愛系映画はゴールがおおよそ決まっていますが、同性の恋愛なので明確なゴールは見えにくく、むしろその方が地に足のついた物語になっているように感じました。
そのため、主人公らと一緒に、「将来」、そして「今」を生きるために大切なことを考え、気付かされるような作品になっていると思います。

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細野真宏