劇場公開日 2020年8月7日

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「『Rumble』は今聞いてもすごい」ランブル 音楽界を揺るがしたインディアンたち bionさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0『Rumble』は今聞いてもすごい

2020年8月8日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 ロック史は、結構詳しいほうだと自認していたが、リンク・レイは知らなかった。まだまだ、勉強不足です。『Rumble』が発表されたのが1958年でしかも、インストってすげえな。当時のミュージシャンが度肝抜かれるはずだよ。この曲がロックの源流だっていうのもわかる。

 黒人音楽がロックに影響与えたことは、知っていたけれども、その黒人音楽自体が、遺伝的にも音楽的にもネイティブ・アメリカン文化に影響を受けていたなんて、これも初めて知る事実だった。しかも、遺伝的に黒人とネイティブ・アメリカンが混じり合ったのは、横暴な簒奪者である白人によるひどい仕打ちのせいであるとは。男の奴隷をアフリカから輸入して邪魔になったインディアンの男をアフリカに輸出した上に、黒人男性とインディアンの女性で奴隷を再生産するとは、まったくもって勝手すぎる。

 皮肉にもその人種・文化の融合からジミヘンの音楽が誕生したっていうのは、なんと言っていいのか。

 メタルが好きだから、ランディ・カスティロが登場したのは嬉しかった。アンスラックスのジョーイ・ベラドナも登場してほしかったな。ジョーイもインディアンの血を引いていて、「パブリック・エナミー」とともにヘヴィメタルとヒップホップ融合させて、当時の僕たちを驚かしたからね。

 白人の弾圧を乗り越えたネイティブ・アメリカンの音楽・文化を知ることができて、とてもよかった。

bion