劇場公開日 2020年11月20日

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「こんなにつまらない邦画を観たのは初めてだ」滑走路 野川新栄さんの映画レビュー(感想・評価)

0.5こんなにつまらない邦画を観たのは初めてだ

2021年8月18日
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鑑賞方法:DVD/BD

寝られる

原作未読
萩原朔太郎は知っているが萩原慎一郎は全く知らない

『マチネの終わりに』『ヒキタさん、ご懐妊ですよ』で助監督だった大庭功睦がこの作品の監督を務めた
2作品はそこそこ良かったのだが

桑村さや香脚本作品を観るのはこれが初めて

自殺を自死に言い換えようという言葉狩りのような流れは大嫌いだ
配慮しすぎて人間全体が弱くなる
どうしても配慮するなら俺にも少しは配慮しろ

いかにもミニシアター系
夫婦関係に悩む切り絵画家翠役に水川あさみ
虐められっ子を助けたために虐められる男子中学生役に寄川歌太
非正規雇用の自殺について取り組む厚生労働省の若手官僚役に浅香航大

群像劇は基本的に嫌いだ
時系列が行ったり来たりする作品は苦手だ
ただただ暗い3種類の話が交代交代で淡々と流れていく
笑える要素は微塵もない
それでいてとても不親切だ
お約束として完全にバラバラな話ではなく繋がりが出てくるのだが
自分が好きな映画に求めるものとは全く違う最悪の代物
どのサイトのレビューも全体的に評価は高いが残念ながらそれらのほとんどは共感できない
ドMなのかサヨクなのか僕にはよくわかない
だからこそ自分は自分のために映画comにレビューを書くのだろう
好きな役者たちの芝居ではとてもカバーできないほど退屈な作品だった
人間ならそうあるべきなはずだがどういうわけか涙は出ないし感動すらしなかった

仙台でも上映していたので映画館で観ようと思ったがあっという間に公開時期が終わってしまった
いま思うと1400円も払って観なくて良かった
『滑走路』のレンタルDVDは少なくとも地元のTSUTAYAではおすすめの作品だった

苦痛に耐えつつラストのクライマックスやオチに期待したのだが最後の最後まで自分の好みからかけ離れていた
ストレスを抱えてさらにストレスを抱え込む意味はあるのだろうか

撮影中の地震はたまたまかな
このままいっちゃえいっちゃえって
まさかね

せめて劇中でトランスアジア航空235便みたいに飛行機が墜落すれば良いのになどと不謹慎な思いまで込み上げてきた

くだらないコメディーより何度も欠伸が出る「社会派」が高く評価される世の中は病的で息苦しく甚だ悲しい

野川新栄