劇場公開日 2020年11月20日

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「群像劇の見事な重なり合い。生きる苦悩と、一縷の希望。」滑走路 門倉カド(映画コーディネーター)さんの映画レビュー(感想・評価)

2.5群像劇の見事な重なり合い。生きる苦悩と、一縷の希望。

2021年1月31日
PCから投稿

悲しい

知的

難しい

【賛否両論チェック】
賛:群像劇の見事なリンクを通して、生きていく大変さや、その中で垣間見えるわずかな希望を感じさせてくれるよう。
否:過激なラブシーンや、暴力によるいじめのシーンがあるので、苦手な人には向かない。

 本作で圧巻なのは、群像劇同士の見事な重なり合いです。あまり言うとネタバレになってしまうので、詳しくは是非実際にご覧になっていただきたいのですが、生きていくことの大変さは勿論、それでも生きていかなければならないことの大変さと、その中で見える一縷の光を感じさせるような、そんな展開になっています。
 そして人間はみんな、人それぞれ決して小さくない傷を抱えながら、それでもその傷と向き合って生きているんだということも、改めて教えられるような気がします。
 ラブシーンや、目を背けたくなるようないじめのシーンがあるので、軽い気持ちでは観られないような内容ではありますが、世知辛い今の世の中を必死で生きる全ての人に、ご覧になっていただきたい作品です。

門倉カド(映画コーディネーター)