「集団というものに、どこか恐怖を感じてしまう人たちへ。」クリシャ 村山章さんの映画レビュー(感想・評価)
集団というものに、どこか恐怖を感じてしまう人たちへ。
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クリシャという主人公は明らかに依存症をはじめさまざまな問題を抱えていて、だからこそ家族親族の集まりにプレッシャーとストレスを感じているのは間違いない。ただ、クリシャほど酷い状態にいるわけではなくても、この映画は普遍的なホラーとして機能すると思う。
集団、こそ家族というものが、いかに暴力的なものになりうるのか、神経を逆なでし、デリカシーを踏み荒らし、自分が自分を嫌いな部分をどれほど明白にさらけ出してしまうのか。この映画は、そんな集団恐怖症的な感覚をみごとにビジュアルに落とし込んでいる。
ああ、心は開かないくせに口数ばかり多い面倒なオッサンや、やたらと腕相撲をしたがる体育会系の子供たち、女性が女性に押し付ける家事や料理、もうなんでもかんでもが暴力である!と極論を叫びたくなるほどに、イヤな時間を共有できるという意味で、とてもいい映画でした。
しかしキャストのほとんどが監督の家族親族っていうのもすごいな。一体どんな血統なのか!
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