「「キミスイ」大学生バッドエンドルート?」青くて痛くて脆い へねみこさんの映画レビュー(感想・評価)
「キミスイ」大学生バッドエンドルート?
きもちわる。
杉咲花ちゃんのこの台詞が主人公2人を表してる。
(吉沢亮くん、演技の上でとはいえこの台詞、胸に刺さった言うてたね)
肝心の「死んだ友達」ネタは若干見え見えで、これでミステリ感押し出されても…。プロモーションの売り文句を間違えているのでは。
「コミュ障」「中二病」といえば簡単だけれど。よくあるすれ違いが痛いエピソードを生み出すこと、様々な若者の造形もよく描かれている。柄本佑さんが最後に言った言葉は、理解はしてなくても、生活の中で何となくつかみ取っていくもの。それが分からなかったのは田端くんだけでなく秋吉さんも。まさしく純粋過ぎた2人。だから「きもちわる」いんだろうなぁ。
しかしながら、一部でリアリティの無さや違和感があり、個人的には低評価。何より、秋吉サンは裏情報晒すことは非難するくせに、サークルの変容やひと様の個人情報流すことに対してどう思ってるのだろう…。これが描かれていないので、観てる側からは、田端くんの歪みがボンヤリしてしまうのだ。
(細かいこと言うと…
個人情報を大量に流しておいてサークル解散だけで責任を取って、そのことにはあんまり触れない謝らない。「金銭のやり取りはない」ことの不自然さ。大事件起こしているのに講堂貸したり罰則設けない大学側の寛容さ。)
SNSで炎上というエピソードを挟みたかっただけなのではないだろうか。手段のために目的を選ばない感がどうにも否めない。
そんな中、主役2人の台詞、表情、仕草には魅了させられた。脇を固める他の若手キャストもさすが。岡山天音くんのいいひと感、100の顔持つ(役の幅も)松本穂香ちゃん、清水尋也くんの腹立つ爽やかチャラ男、森七菜ちゃんのホットな演技と歌唱。いずれも助演俳優賞。
そんな中、後輩役のモデルさんの演技は唯一残念。まだキャリアが浅いから、他キャストが達者だからとはいえ、この先は厳しいのでは…。
へみねこさんの疑問 確かに!ですよね。原作には その辺が割としっかり描かれていた気がします。私も映画は報告会のシーンがちょっと物足りなく感じました。でも…確かに大学側の対応は不自然ですね。原作も同じだったと思います。
後輩役(川原)を演じた茅島さんは撮影時、なんと!15歳 中学生だったそうです!背が高く大人びているので外見は違和感ないですが、やはり中学生が大学生を演じるのは難しいかと…。でも今 NHKの「ここは今から倫理です」というドラマで高3を演じてますが、成長を感じますよ。私は期待したいです。