「入れ替わる被害者と加害者」空白 杉本穂高さんの映画レビュー(感想・評価)
入れ替わる被害者と加害者
ある女子中学生の交通事故死の本当の加害者は誰なのかを問う作品だ。
万引きをした女子中学生を、万引きされたスーパーの店長が追いかけた。女子は逃げる時に道路を飛び出し車に轢かれて死んだ。万引きの被害者は店側だが、事故に視点を変えると店側は加害者に見える。女子は学校でいじめられていた。学校側はそれを隠そうとする。では、真の加害者は学校だろうか。女子の父親は、娘につらく当たる駄目な父親だった。しかも、自分の駄目さを自覚できていない。では、彼は加害者なのだろうか。しかし、最愛の娘を失ったという点では、被害者ともいえる。
事故を起こした女性運転手が父親に謝罪に来る。自責の念から彼女は自殺する。この自殺の加害者と被害者は誰だろうか。スーパーの店長はワイドショーで女子中学生の死の責任を問われ、スーパーには人が寄り付かなくなり、スーパーを閉店させることになった。ここの件については、彼は被害者となる。こんな風に、被害者と加害者が入れ替わり続ける。
理不尽な死の責任が本当に誰にあるのか、それはわからない。誰かを悪く言えば、だれかを加害者に仕立て上げれば解決できるほどにこの世界は単純にできていない。その複雑を真正面から見据える勇敢な作品だ。
学校でいじめなんて受けてないじゃん
同じ学校の生徒の証言は全く印象に残らない影の薄い生徒
いじめなんて目立つような生徒が受けるものでそんな事があったら印象に残ってるはず
それは学校が生徒に取ったアンケートからも正しいと分かるし
冒頭で教師に作業の遅さを注意されたときや父親に携帯を取り上げられた時の反応からもこの生徒がおとなしく物静かで人畜無害なことが分かる。
それなのにいじめを受けていたはずだと娘の事を終始まるで理解していなかった父親だけが暴走して学校側が苦慮してただけの話。
ちゃんと鑑賞もせずに適当なこと書く人って多いんだね