「"正義"と"救済"を卓越した作品力で披露」空白 サスペンス西島さんの映画レビュー(感想・評価)
"正義"と"救済"を卓越した作品力で披露
2021年劇場鑑賞24本目 傑作 76点
長らく予告をみていて楽しみにしていた作品。
1年通しての上映スケジュールを見て、現在の個人的2021年邦画ランキングの順位の変動を脅かすラストの作品かなあと思い、前評判然り上映初動の声の後押しもあって、心を弾ませて観に行きましたが、結論から述べると順位変動はありませんでした。
十分に素晴らしい作品だし、例年だったらベストワンないし、3本の指に入るレベルだと思います。
松坂桃李は新聞記者といい孤狼の血初代といい、どこかパッとキャラ立ちしていなくて、表現が正しいかはわかりませんがモブっぽいポジションをフォーカスした映画の配役が適任すぎる。そのどことないキャラの演技が非常に上手い。
それでいったら今作のキャラクターが一番キャラ立ちしていない配役で、それでも文句ない繊細な演技に流石だなと思った。
古田新太もクソうざい頑固ジジイを絶妙に演じていて、行きすぎないところもたまに見えたり、人によっての心の許し様など、こちらも現実的によくいる人物像を繊細に演じていて素晴らしかったです。
他にも周りにいる人たちそれぞれの正義だったり、綾野剛出演の白雪姫殺人事件にも通じるマスコミや取材の報道の様、昨今の邦画では少なくなってきている描写や台詞で空気を感じる数少ない作品、などなど良い作品である要因は沢山ありますが、今年は個人的に本当に邦画において良い作品が多い当たり年だと思っているので、残念ですが順位変動はほぼなかったです。
けど間違いなく素晴らしい作品です。
是非。
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