「途中までツラくて身悶えしたが、前向きに終わってホッとした」空白 世界のメガネさんの映画レビュー(感想・評価)
途中までツラくて身悶えしたが、前向きに終わってホッとした
中学生の娘が万引で捕まりそうになって、逃げている最中に車にひかれて死んでしまう。冒頭から、やたらクマの深い娘と、陰鬱そうに働くスーパーの店長と、赤ら顔でキレまくっている威圧感満載の親父が、不穏な空気をムンムンに醸し出してくる。
早く事故後の話に行って欲しいと思いながら観ていたが、事故シーンの映像もショッキングで、その後の登場人物が怒りや悲しみで心の空白が広がっていく過程に心情をひきづられ、苦しかった。不安な感情でいっぱいになり、うなってしまうほどツラかった。
映画って、観る人の心の空白を埋めてくれるもんじゃないの?、なんて思ってた。
しかし、ラスト近く、父親演ずる古田新太の、誰かを責めることの呪縛から晴れて泣くシーンで、心がフワーッと軽くなった。古田新太カッコいいなあ、と思わず思ってしまった。
観ていた私の緊張も解けて、いい映画を観たなあと、心の空白も満たされたのでした。
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