「「命」と丁寧に向き合うといこと」僕は猟師になった まささんの映画レビュー(感想・評価)
「命」と丁寧に向き合うといこと
「肉」を食するということは、もちろん「命」あるものを殺めるということです。
猪や鹿が通るけものみちに「罠」を設置して捕獲し、棒で叩いて気絶させる。その場で素早くナイフで急所を刺し、引きずって運び、丁寧にさばく。
血もたくさん出るし、最期の鳴き声、内臓や骨など、自分が直視できるかどうかわからなかったけど、主人公のあまりにも丁寧な所作に、生命の尊さを映像からも充分に感じ取ることができました。
子どもたちも、小学生になったら父と一緒にナイフでさばく手伝いをするし、明るい奥さんの表情なども含めて、素敵なご家族の一面も垣間見ることができました。
そして、この作品が秀逸なのは「命」に丁寧に向き合うご家族との対比として、猪や鹿が農作物を荒らす「害獣」として殺処分されるという一面も捉えているところ。
テクノロジーを駆使して遠隔操作で捕獲したり、捕獲された猪や鹿を、ゴロゴロと運びながら焼却場で機械的に処分する。
現実を知らないことが多いので、語りすぎないようにしたいけど、命との接し方を逃げずに捉えたドキュメンタリー作品として、秀逸でした。
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