「性格を把握していればこそ」透明人間 Bacchusさんの映画レビュー(感想・評価)
性格を把握していればこそ
同棲する男の軟禁にも等しい束縛から脱出した女性が、みえない何者かに付き纏われて追い込まれて行く話。
薬を盛って眠らせて、妹の助力も得て逃げ出し、転がり込んだ友人宅。
2週間後男は自死し、遺産の一部を主人公に譲渡したが、主人公のまわりで不可解なことが起こる様になっていくというストーリー。
透明人間というタイトルと、光学研究の先駆者で第一人者という設定で、事が起こる前からネタは判っているけれど、もしそれがなかったら主人公の幻視か妄想かとも思わせる様な追い込みが展開していき、ハラハラドキドキ。
作中でソシオパスと表現されていた通り、異常な執着と盲目っぷりが、恐ろしくもあり気持ち悪くもあり、どんどんエスカレートして行くと共に、主人公がどんどん孤立して行く流れも、飽きさせず面白い。
普通はああするだろうこうするだろうと、終始主人公の鈍臭さにもどかしさを感じたけれど、あまりにも酷いという程の感じもない上に、突然覚醒したかの様に閃く流れもなくて納得出来るし、シンプルで判りやすくて、気味が悪くて八方塞がりで、とても面白かった。
タイトルと男の職業がもう少し遠回しだったらなー…そして何より、主人公がもう少し魅力的だったらなーw
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