ロストガールズのレビュー・感想・評価

実話の未解決事件だからすっきりしないラストでも仕方ないけど、それまでの警察の捜査の仕方があまりにずさん
被害者がどんな人かで事件への取り組み方が違うというのが本当にひどい
どんな職業か、そういう事で世の中は偏見に満ちているから仕方ないのかもしれないけど、被害者に対しては公平な世の中であってほしい
この作品の中ではしっかり最初から捜査していたら犯人は逮捕されているように思えるのに
母である主人公の行動によってやっと動いた警察、｢スリービルボード｣の母を思い出しましたが、あの母と同じで、責任を感じて、その償いのためにも行動せずにいられなかったように思えました
それでも次女の｢I'm still here.｣を受け止めてほしかったです

3人の娘を育てるシングルマザー。
人一倍、いや、二倍三倍働かないとやっていけないでしょう。
常に強気でやや高圧的な母親。個人的にメイクもあってか好感は持てないキャラだったな。
それにしても次女のトーマシンの存在感はさすが。最初から違うわ〜と。
そんな娘達への高圧的な態度。もっとこっちも見て愛してよと言う娘に、大学の費用云々はないでしょう。愛情表現が下手な人らしい。

警察の態度もひどいものだけど、国が広いとパトロールも大変だと思う。捜索も難航するだろうし。いつも思うことだけども。日本とは人数もかなり違うのだろうか？

失踪する少女は多く
たいがいは、薬中で売春婦だ！
と警察は考え
相手にしないんだ。
ようやく死体が発見されても
チンタラ
母親たちが結束して闘う。
今なお未解決なんだな。

実際に起きた未解決事件をモチーフにした作品だけれど、ほんと胸クソだなと思った。
誰に？犯人には勿論のこと、警察関係者の捜査のずさんさに腹立たしくなる。

作品中でも言っているけれど、彼女達は被害者なんだよ？通報から１０分で来られる距離を１時間掛けて来るとかナメ過ぎ。

被害者の一人であるシャナンの母親のマリは、気が強いながらも娘が生きていることに一縷の望みをかけて、懸命に足跡を辿ろうとする…。

他の２人の娘や、若い頃にシャナンを授かり その後手放さなくてはならなくなった辛い過去を背負って、本当に大変な戦いだったと思う。

私はふっと伊藤詩織さんを思い出した。
日本人はレイプ被害者に対して冷酷な言葉を平気で吐く。
被害者らしい格好しろだの、何様だと思う。
この作品の彼女達も、“hooker”だからと蔑まれていた。職業によって助ける助けないは決まらないし、警察の怠慢が この犯人を野放しにしている一因でもあるのかなと思った。

三人娘の長女が帰ってこないので警察に捜索を頼むが動かない。
それではと自分から捜索するが、失踪した地域から4人の遺体が見つかる。
徹底した警察批判、証拠不十分で捕まらない犯人をほぼ特定、など挑戦的な作りとなっている。
警察機構、というか行政組織は過ちを認めない。

何も知らずにスリービルボードの二番煎じぐらいな感覚で観たら、実話なことにびっくり。
モヤモヤが残る。もっとスッキリしたかった。

短くてありがたいけど、その割にもっさりした作り。
自分が不勉強なだけかもしれないが、知らない役者ばかりで、そこは良かった。

未解決事件を題材にして、自分なりに犯人像を描くとか脚色もなく、一般的な再現ドラマよりつまらなかったです。何か荒んだ家庭なので、一応頑張っていても共感ができませんでした。「事実を基にした」を言い訳にして、映画として楽しめる作品にする事から逃げてしまったと思います。題材からどうしても「スリービルボード」と比べてしまいますが、エンタメ路線ではないにしろ独自性が無く、ただ作っただけと言う印象でした。