「良い部分が沢山あるのに過剰な盛り付けと変に足りない所が多い感じの作品です。」砕け散るところを見せてあげる 松王○さんの映画レビュー(感想・評価)
良い部分が沢山あるのに過剰な盛り付けと変に足りない所が多い感じの作品です。
予告編を何度か観て、気になってた作品を鑑賞しました。
で、感想はと言うと、う〜ん…悪くないけどなあ~と言う感じ。
最初はホラーなのかな?と思っていたら、観始めると青春モノ?となり、中盤辺りからサイコサスペンスか?となり、ラストにはファンタジー…となって、結局なんかよく分かんなかった感じですw
周囲の虐めに学年一の嫌われ者として扱われる玻璃が清澄によって、少しずつ自分を変え、周囲に理解されていく淡い恋物語に玻璃の境遇や重い過去が明らかになっていくと思いきや、途中から分かる様でいろんなモノを入れていった感じと言うんでしょうか…
最初に難点を言うと、なんかいろいろと屁理屈臭いw
言いたい事は分かるけど、もっとストレートに来んかい!と言う感じw
素材に余計な味付けと付け合わせが多すぎて、もっとメインを堪能させてよ。と思ってしまうんですよね。
なのでタイトルほど砕け散っていませんw
あと、UFOの描写っていります?
なんかあれが妙に焦点をボヤかしている様に感じますし、どうしてもブラジルの迷作「バクラウ」を思い出してしまいますw
やりたい事や言いたい事は分かる。
でも、清澄が最初からヒーローに憧れる事を述べていて、それが何回も出てくると「はいはい。分かった分かった」とちょっとうんざりしてしまう。
産まれる前に亡くなった父親の事を母親から聞く度に父親の行動がヒーローとして理念を育んでいき、自身の行動もその理念に沿って玻璃を助ける訳だが、ヒーローとしての信念は多く語らないからこそ尊いし、その信念に殉じると思うんですが、こうも口にするとなんか軽く感じるし、あざとく感じるんですよね。
また、玻璃がトイレに閉じ込められ、清澄が助け出す所のシーンも妙に長い。長回しのシーンが所々多いんですが、無駄に長い感じで間延びする感じがします。
ラストは清澄と玻璃が再び出会う所で止めておいても良かったかな?と思うんですがどうでしょうか?
もちろん、ここからが物語の語るべきテーマで真相と言うか伏線の回収的な物と分かっていますが、あのラストに至るのも原作通りとしても、なんか余計な感じがします。
もしくはラストの清澄と玻璃の登校での待ち合いのシーンだけでも良かったのかと。
玻璃が学年一の嫌われ者として、虐められるシーンはホント腹が立つ。
人には合う合わないはあるし、嫌いな人がいるのは普通にあるけど、だからと言って虐めていい理由にない。
そんなのは加害者の勝手な理屈で、嫌いだから、合わないからと言って、虐めていい筈が無い。
作中に「そんなに暑くなるなよ。ギャグじゃん、ギャグ」と言った玻璃のクラスメイトには心底腹が立った。
虐めをコミュニケーションと考え、罪の意識も薄く軽く考えてるのは本当に嫌。
他の作品でもこういったシーンを見かけると胸糞が悪くなりますが、ちょっと高校生の虐め方としては幼稚な感じがします。
今の高校生の虐めってもっと陰険で狡猾な感じがしますがどうでしょうか?
また、尾崎・妹がどんなに頑張っても学校側が虐めを認識してもクラスメイトの態度が急に変わる訳ではない。
なのに、腫れ物に触る様に扱われるのは仕方無いとしても、急に虐めが無くなるのはなんとなく不自然な感じです。
作品の中で玻璃の奇行や奇声を発する理由がなかなかリアルというか、周りが距離を取りたくなる気持ちは分かる気がする。でもそこだけリアルなのもなんか不自然なんですよね。
父親によって、周囲とのコミュニケーションが上手く取れず、奇声を発して周囲を威嚇すると言うか、遠ざける。それに至る父親の威嚇的な教育をもっと出しても良かったかと思います。
キャストはなかなか豪華で良いんですよね。
中川大志さん、石井杏奈さん、井之脇海さん、清原果耶さん、松井愛莉さん、北村匠海さん、矢田亜希子さん、原田知世さん、堤真一さんと結構な陣容。
玻璃役で石井杏奈さんも徐々に清澄に心を開いていくのはなんかホッとするし、可愛らしい。
個人的には尾崎・妹役の清原果耶さんが良い。良すぎる!
様々な作品に出演して、着実に存在感と演技力を上げて来ているのが成長が確実に分かる。
「まともじゃないのは君も一緒」のヒロイン、香住役がバツグンに良かったので、今作でも良い感じ。
ちょっと気が強い感じだけど、根が素直な尾崎・妹が可愛らしい。「ウッス!」が可愛らしい♪
堤真一さんの使い方はなかなか贅沢ですよね。ただ、もっと出番があって、殺人鬼として家族まで手を掛けるに至るまでの理由はもっと出してくれないと、サイコパスとしての表面的な部分だけで勿体無い。
この辺りが丹念に描かれないと単におかしい父親とそれに従う娘としかならないと思います。
あと、大人になった清澄が流される際に目撃する者に濱津隆之さんが出てますが贅沢と言うか、勿体無い使い方です。
結構、良い意味で引っ掛かるポイントがあるのに、過剰に多い部分があって、本質をブレさせているかと思いきや、ちゃんと説明しないとダメな部分で足りてない。
勿体無いなぁ~と思うんですよね。
原作を未読なので、本来こういう物なのかも知れませんがもう少し青春モノに特化しても良かったかなと。
ちょっと惜しいけど、妙に後味の残る作品です。
しろくろぱんださん
コメント有難うございます♪
こちらこそ、コメント頂きまして恐縮です。
良い部分も多い作品なのでちょっと惜しいんですよね。
個人的には尾崎姉妹が良かったです♪
また、お暇がありましたら、覗きに来て下さいね。
たくさんの共感嬉しく思います。
ありがとうございます。
私もこの作品は理解しにくいところが多かったです。でも。出演者に好きな俳優さんが出ていたので。ちょっと怖かったですね。