色男ホ・セクのレビュー・感想・評価
全10件を表示
女性に束の間の自由をもたらした男の妓生
男の妓生というものが実際に存在したのかどうかわからないが、この設定が当時の女性の苦難をあぶり出している。儒教の影響下にあった李氏朝鮮時代、女性は厳格なまでに貞淑に生きることを強要されていた。夫が亡くなって寡婦となった後も亡き夫と家族に尽くさねばならない。烈女という概念に縛られた不自由な女性たちが、男の妓生に通う時だけ、束の間の自由を享受している。男には癒しの場がたくさん用意されているのに、女には許されないのはおかしいと言うホ・セクの主張は説得力がある。
妓生は、高級官僚などを相手にするから、芸事には秀で、知識も必要な職業だったが、当時妓生は卑しい身分とされていた。しかし、ホ・セクはわざわざ身分の低い職業をやることをためらわなかった。彼にとって妓生は家族だったからだ。
2PMのジュノがはまり役だ。タイトル通り「色男」ではなくては務まらない役柄だが、彼にピッタリだったと思う。
男妓生を演じたジュノ
2PM ジュノが演技しているところが見たい!と思って鑑賞したけれど、内容がとても良く最後まで興味深く鑑賞できた。
舞台は朝鮮時代。
主人公は妓生の母を持ち、小さな頃から妓房で育った、容姿端麗、優れた技芸と女性をとろけさせてしまう話術の達人、ホ・セク。
男尊女卑や、身分の違いなど、所々にこの時代ならではの問題が浮かぶ。
世の女性にとって、ホ・セクの存在はただの色男というだけではなく、必要な心の拠り所のように描かれる。
愛する人に出会ってしまい、猛烈アタックをするセク。
少しずつ2人の心は惹かれ合うのだけれど、非情な現実に心ズタボロになるセク。
本当に愛してしまっているからこそ、身をひくというのはよくある、あるあるパターンですが、セクがその前に妹のように可愛がっていた妓生の自殺を見て心の中の不満爆発。悲しみと憤りが爆発するシーンはとても印象的。
韓国映画はロマンチック。が私の印象ですが、本作もやっぱりそう。
芸術的なシーンや、自然の美しさをふんだんに使ってロマンチックな演出をするのはさすが韓国。
とても一途な主人公の恋愛は心にキューンと刺激をくれます。
2PMのジュノ!感がしっかり味わえる、ジュノの舞のシーンも見応えありますよ〜
【軽重浮薄だが、心寂しき色男が真の愛に目覚める姿を描く朝鮮絵巻。朝鮮社会の身分制度、男尊女卑をコメディ要素を塗して、批判的に描いた作品でもある。】
-前半はコメディ要素を絡めて、ホ・セクが”男妓生”となり、経済的に苦しい生家の妓房で、働き始める様を描く。
だが、ある日出会った両班のお嬢様ヘ・ウォンに心奪われ・・-
■印象的なシーン
・"烈女"達に"男は妾を持ち、酒を楽しむのだから、ご婦人たちも私に心を休めただけで、せめられるkとはない・・。"などと言い、彼女達の前で軽やかに舞うシーン。
蕩けるご婦人たち・・。あー、オカシイ・・。
・ひょんな事から相棒(で、時折下男にもなる・・。)になった、"どこから見ても浮浪者"のユッカブとの遣り取りも面白い。
そして何と、ユッカブは妓房を仕切る女主人ナンソルと良い仲に・・
-うーん、女性の年齢は"低め"に言わないとね・・-
・後半、へ・ウォンとの関係性が徐々に縮まるシーン。
歯が浮くような言葉を巧みに操り、言い寄るホ・セク
・・貴女と花を見間違えました・・
・・偶然も三度続けば、必然です・・
・・一人で観るには余りに美しい月が出ております・・
-使えそうだなあ・・。すいません・・。-
だが、彼女からの言葉は "貴方は、寂しい子供の様・・"
自らの出自、母への想い・・を言い当てられ、ホ・セクは更に彼女に対する想いを募らせる・・。
・へ・ウォンの哀しき生活背景も、徐々に明らかになるシーンも、作品に深みを持たせている。
〈彼が可愛がっていた、スクチョンの非業の死を目の当たりにし、ホ・セクはある重大な事を決死の思いで、実行する・・。
彼は、女性に優しき言葉を掛け、慰めるだけの”男妓生”ではなかったのである。
"ポム・ラックン"の本当の意味を、へ・ウォンに言えないままに・・・。
取り分け、後半パートは、かなり心に沁みました・・。〉
前半眠くなりました。好みもあると思いますが色男と言えるほどの……撮...
前半眠くなりました。好みもあると思いますが色男と言えるほどの……撮る角度や技術によれば、かな。身分制度、己を卑下してのすれ違い、家族を想う心、、泣けそうなとこもありましたよ。
やさしい映画
宣伝文句の通り、笑って泣けて切なくて最後はしみじみする映画。ストーリー展開が上手い。舞台は妓房だが色っぽいシーンは全く無い。親子で観ても気不味くならない(笑)
監督は女性かと思ったら男性で驚いた。それほど女性の心情に寄り添ってくれるストーリー。登場する女性達のみならず、観客も癒してくれる。男性にも是非観て欲しい。いや、女性に対してだけでなく、登場人物全員に対する監督の眼差しが優しいのか。
ジュノはどんな役も努力で自分のものにしてしまう。可愛らしさも、格好良さも、いたずらっ子の感じも、この主人公はまるで当て書きのようにしっくり馴染んでいる。
相棒のユッカブも、ライバルも、それぞれの誠実さが愛おしい。
ささやかなオマケが有るのでエンドロールの最後の最後まで、席を立たないで。
純愛物語
観終わった後に涙が頬を伝わり、気持ちがとても温かくなりました。
「色男」・・・・という題名から受ける印象とは全く違う純愛物語。
そして、朝鮮王朝時代に尊ばれていた女性に対する価値観がもう1つのテーマに。女性が自由に行動することが難しい時代 そんな女性の心に寄り添った男妓生・ホセク。誰も愛してこなかったホセクが愛する女性に出会ったときに。。。。笑いあり、涙ありのとても良い映画でした。ホセクの愛だけではなく家族愛にも泣かされました。
全10件を表示