「アニメは見ていたけどこの映画の場合は何も見ないで見に行った方が面白かったと思う。タイムリープできたらそうするけど現在の自分がそのままタイムリープしたら不可能。」東京リベンジャーズ Push6700さんの映画レビュー(感想・評価)
アニメは見ていたけどこの映画の場合は何も見ないで見に行った方が面白かったと思う。タイムリープできたらそうするけど現在の自分がそのままタイムリープしたら不可能。
この作品は映画で実写化するということで原作を読んでみたんだけど、読んでいる途中でアニメが始まったのでそれからはアニメを見ていた。
これだとアニメを見てから見てくださいというような感じがしなくもないけど、アニメを見てから見た者としてはほぼネタバレ状態で見ていたので、なんとなく安心はできたけど、何も見ないで見にいった方が面白かったかな?と思って後悔した。
映画なので時間に限りがあるし細かいところで多少違っているところもあったけど、大筋では原作通りアニメ通りだった。
原作のキャラと実写の演者の方のイメージの違いとか、アニメと映画の演出の違いとかを見ればいいんだろうけど、その辺はどうしても原作とかアニメの方がよくなってしまうのであまり楽しめなかった。
そのためか細かいところを微妙に変えてうけを狙っているような印象だったけど、個人的にはあまり笑えなかったのでいらないと思う。
この映画の場合はストーリーのところは続編もありそうだから変えられないとしても、原作にないアクションを入れてアクションシーンを変えてもいいし、今田美桜さんのやっていた橘日向を違う演出やエピソードを入れてもっと可愛く撮ったりする方がいいような気がした。
英勉監督ってマンガ原作の実写化映画をよく撮っているけど、冒険しない方がいい部分で冒険して、冒険した方がいい部分で冒険しないような傾向の人のような感じがする。
だいたいこういうタイムリープ物って、過去を変えようとして変えられないみたいなところでやっていくんだけど、いつも不思議なことがある。
完全な作り話だから面白ければいいのだけれども、過去を少しでも変えたら自分も変わってしまうだろうということ。
だいたい過去の失敗を直して成功する為にタイムリープするんだけれども、失敗を直すのはかなり危険な感じがする。
失敗をなかったことにして、成功だけしていい思いをしたいのはわかるけど、現在の自分って過去に成功したことよりも、失敗したことでできたもののような気がする。
科学実験みたいなもので、何百回、何千回、何万回と失敗を積み重ねた結果としてできていったもの(発見したものかも?)だと思う。
だから過去の失敗をなかったものとしたら、現在の自分が変わってしまうから、話の前提が根底から崩れてしまう。
失敗を直したとしても違う未来にいくから、結果としてよかったことなのかどうかわからないし、自分も変わってしまうからよかったことと認識するのかどうかもわからない。
もちろん現在の自分を保持したままで過去を変えていけるならすごく面白いし、たぶんきりがなくなってしまって永遠に繰り返すと思うけど、どういう風に変わっていくのか見てみたい気がする。
そのためだいたいの映画は自分を変えずに周りだけ変えられる設定で、この映画もそうなっている。
でも自分を変えずに周りだけ変えられるということは、世界は一つではなくて複数存在することになり、この映画みたいに周りの友人が皆死んでしまう世界も、生きている世界も同時に存在するようなことになるから、過去を変えて友人を救ったことになるのかな?と難しく考えてしまった。