「親にとっては重いテーマ」望み bionさんの映画レビュー(感想・評価)
親にとっては重いテーマ
子供を持つ身としては、父の気持ちがよくわかる。犯人なのか、被害者なのか、どちらかの可能性があると知ったら、犯人ではあってほしくない。そう思う。
長男の規士が、加害者かもしれないってわかってからの家族の殺伐とした重苦しい感じはよく描けていたと思う。犯人でないことを祈る父、加害者であったとしても生きていてほしい母、自分の将来を不安に思う妹。気持ちの不協和音が鳴り響いて、見ているこっちがいたたまれなくなる。
ただ、マスコミの描き方がステレオタイプというか一時代前のイメージのままというか、ちょっと首をひねる。被疑者でもなく、事件の重要参考人の少年の父親の声をそのまま報道するなんてありえない。それに、卵の投げつけやスプレーでのいたずらの演出もちょっと時代錯誤してる。SNSでリンチされたり、ネットで情報さらされることが、被害者や加害者の家族にはこたえているのに。
松田翔太演じる雑誌記者の内藤の立ち位置も釈然としないな。ハイエナのような雑誌記者として最後まであって欲しかったな。原作は、未読だけど、そのへんはどうなんだろう。
bionさん 1980年代となると、今度はSNSが全く無いため、マスコミはあそこまで直ぐに容疑者を嗅ぎつけられないのでは? それにSNSによる誹謗中傷も受けなかった時代ですし…分かりませんが…。でも、もう少し長い時間(日数)をかけて家族の葛藤をじっくり描けたかもしれませんね。行方不明の日数が増えれば、そのうちマスコミも嗅ぎつけて騒ぐことになったでしょうし…。
私もマスコミの描き方には ずっと違和感ありました!多分 今現在 あのような取材はないでしょうね。もし 間違いなら(被害者だったら)名誉毀損で訴えられかねません!それさえ もう少しリアリティがあれば良かったのに。と思いました。
今晩は
まず、私は今作は夫婦を演じたお二人の演技を筆頭に、良い作品だと思います。作品の良さも書きましたので、全否定では勿論ありません。
只、レビューに書いたようにマスコミの描き方、何か問題がある家にスプレーで落書きされるシーンが類型的であることと、週刊誌記者の描き方が気になってしまいました。
堤監督は邦画を代表するお一人ですので、ストーリー展開も含めて、当方としては低めの得点を付けました。
私は映画鑑賞中に、カタルシスを得る瞬間があるかどうかをその作品評価に当たっては重視していますが、残念ながら今作ではそれを感じることが出来ませんでした・・。
では、又。
共感ありがとうございます。
たしかに、マスコミの描き方は、すぐに叩かれる現状では、有り得ないですよね。特に未成年の犯罪だし。
ただし、今のマスコミは、表面上はコンプラ優先の善人で、裏は『強きを助け、弱きをくじく』状態で、前より陰湿で悪くなっているように思えてなりません。