「あなたにとっての人生をかけたステージとは」実りゆく 和田隆さんの映画レビュー(感想・評価)
あなたにとっての人生をかけたステージとは
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爆笑問題などが所属する芸能事務所タイタンの映画好きのマネージャーによる長編初監督作品だが、八木順一朗監督は初メガホンとは思えない手堅い演出を見せる。
第3回の「MI-CAN 未完成映画予告編映画大賞 」で堤幸彦賞とMI-CAN男優賞を受賞したことが始まりで、そこから長編映画として完成にこぎつけた。しかも主演はタイタン所属の若手漫才コンビ「まんじゅう大帝国」の竹内一希という変化球的な作品でもある。
しかし物語は、長野県のりんご農家を舞台に、お笑い芸人になる夢を追う息子と父親の絆を描いた青春ドラマ。りんごを実らせることと、夢を実現させることがシンクロするのだが、実は主人公が吃音症であることが本作のポイントになっている。
愛する人を笑顔にしたいという思いと、りんご農家を継がなければならないという責任感が交錯し、もがき苦しむが、父親や友人らとの絆によって、どちらも実らせようと一歩踏み出していく。
八木監督の夢の実現とも重なり、物語と同じように笑わせつつ、ほろっとさせるところもある良作となっている。
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