「アーカイブというものを超超越した芸術」国葬 SHさんの映画レビュー(感想・評価)
アーカイブというものを超超越した芸術
大分前の出来事をなぜ今更・・・どうせ映像も何もかもが古臭くて、プロパガンダ的なんだろうなー・・・と正直なめてました。
しかし、冒頭のクリアなカラー映像と美しいモノクロ映像を目にした瞬間、かっけーと一瞬で引き込まれてしまった感じです。
内容は半ば想像通り、歴史的出来事が淡々と綴られていて、共産党から発信される声や音をベースに、まさにザ・国葬が壮大に語られています。
ヤバイ!寝る、と思ったのですが、広大なソビエト連邦という土地の要素を見ているだけでもかなり価値あるように思えました。しかも全ての映像がキレイで、さすが旧ソの頂点を捉えようとする芸術魂…などと訳わからんことを思ったり─。
後半の追悼集会のお偉い方の長い挨拶はきつかったです。でも、それも含めこの作品の魅力でした。まるで亡き者を忘れたかのような“演説”、巨大な集合体が崩壊してしまった今聞くとなんか笑ってしまいそうな虚勢、無駄で無意味な言葉の羅列が意味するものは、やはり、明るい未来ではなかった・・・
単なる記録などではなく、残されたものを丁寧に磨き上げ、ある時代の重要な出来事を再構成あるいは再現した、質の高い芸術作品でした。
コメントする