君は永遠にそいつらより若いのレビュー・感想・評価
全11件を表示
願いは時を超え、時代は変わる
津村記久子が2005年、当時20代後半で発表したデビュー小説の映画化。津村は新卒で入社した印刷会社でパワハラを受けて1年足らずで退職した経験をインタビューなどで明かしており、“虐げられる存在”の視点が本作の登場人物たちにも確かにある。それは組織や集団や社会のルールにうまく馴染めない人への攻撃であったり、処女や童貞に対する侮辱や中傷であったり、男から少女への性的暴行であったり、育児放棄された子であったり。
主人公・ホリガイ(佐久間由衣)は大学で知り合ったイノギ(奈緒)の少女時代の痛ましい体験を聞かされ、その場にいて助けられなかったことを嘆く。直接会ったことのない行方不明の少年を想い、「君を侵害する連中は年をとって弱っていくが、君は永遠にそいつらより若い」と伝えたいと願う。もちろん時間をさかのぼって過去を変えることはできないが、そうした願いを伝えることで、誰かの心に変化をもたらし、現在と未来を変えることにつながるかもしれない。弱者に向かって上から頑張れ!と声援を送るのではなく、同じ地平で寄り添い一緒になんとかしようもがくスタンスは、津村自身もハラスメントのサバイバーであることことが大きいのだろうと想像する。
吉野竜平監督が原作小説の空気感を誠実に映像化しようと努めたことは確かに伝わってくる。惜しいと感じたのは、終盤でホリガイが団地のベランダの外側から階下の住宅に侵入し、ネグレクトされた子を探そうとする場面。ホリガイが部屋に入るより前に室内で待ち構えたカメラが彼女を“客観的に”とらえるのだが、ここはホリガイの主観視点か、あるいは彼女の後ろから追随する映像によって、不法侵入を承知で未知の空間に分け入り、子供を救い出そうとする内心の緊張や高ぶりを表現すべきではなかったか。原作でもここの一連の描写は大きな山場になっていて、読者もホリガイの内面に同化してハラハラしながら読み進む部分なのだが、客観映像の演出ではそうした盛り上がりにやや欠けるように感じられた。
とはいえ、佐久間由衣と奈緒の好演は見応え十分。奈緒の役・イノギは「マイ・ブロークン・マリコ」でやはり奈緒が演じたマリコにも少し通じる部分がある。原作小説も素晴らしいので、未読の方はぜひ。
あなたの傷に立ち会いたかった。痛くてモラトリアムな時間
一見モラトリアムな大学生活だからこそ、バイトや飲み会のなかで、何気ない一言が互いの傷をえぐってしまう。就職や恋愛という人生の一大事に向き合おうとすれば、生い立ちの時期の傷が大きく立ちふさがる。それぞれのトラウマに向き合い、少しずつ成長する女子ふたりを描く映画だ。
児童福祉司への就職が決まっている大学4年生のホリガイ(佐久間由衣)は、自分には何かが足りないという劣等感を抱えている。それが男性経験のなさに由来することは自他ともに認めているが、さかのぼれば小学生時代の男子との喧嘩で「敗者」を烙印づけられている。
そんなホリガイは、性暴力の被害者であり耳の傷を隠して生きているイノギ(奈緒)と知り合う。バイト、飲み会、カラオケ、鍋、テレビゲーム――そんなゆるい時間のあと、お約束のように深刻な話題に踏み込んでしまう。大学時代を思い出してほろ苦い。
最初はホリガイが、それに続くようにイノギが傷を打ち明け、「私もその場にいてあげたかった」と伝え合う。
思うに、被害経験の本当の苦しさは「自分で自分を守ってやれなかった」ことにあるのだろう。絶対的に相手が悪いのに、「何もできなかった自分」に対して抱えてしまう罪悪感。タイトルにもあるように、「悪かったのではない、若かったのだ(そいつらの方が先に死ぬよ)」という寄り添い方を、この映画は選んでいる。
ホリガイ自身が「自分を守れなかった」悔いは、まだ誰かの苦しみに気づけていないのではという焦燥感となってホリガイを突き動かす。
冒頭に出てきた赤い自転車はイノギが被害に遭ったとき乗っていたもので、ホリガイが直接見たはずはない。しかしラストで児童福祉司になったホリガイは、訪問先の家庭で同じように倒れた自転車を立て直す。良くも悪くも、妄想じみた直観が原動力だ。
傷を抱えてしまったら、勘違いでも、遅れてでもいい、誰かのために立ち会って、立て直せばいい。そんな希望を感じさせる映画だった。
行動力があって大胆なのに、心の奥底に不全感を抱えたキャラクターが佐久間由衣さんにぴったり。奈緒さんは翌年の「マイ・ブロークン・マリコ」と似た役柄を、さらにナチュラルに演じていた。
この映画、公開から4年経っているのに「愛されなくても別に」と一緒に上映してくれた映画館に拍手。同じように、傷を抱えた大学生の寄り添いを見たい映画だから。「ネムルバカ」のファンにも見ていただきたい。3作の中で一番重いけれど。
その場にいて助けられなかったことが悔しい
卒論提出すると、卒業待つばかりの4回生堀貝佐世。
両親が離婚して実家には母と祖母。
地元和歌山の児童福祉課に就職が決まっている。
13年前のあきら君行方不明事件を知ったことから、
あきら君を見つけて助けてあげたいという気持ち故
児童福祉課勤務を選ぶ。
卒論を書く為に友人に
“育った環境と将来の成功ビジョン”
についてのアンケートを頼んでいたが、
たくさん集めてくれた岡野の交換条件として、
翌日の一講目の西洋哲学史の授業に出てノートを
とって来なければならなかった。
危惧した通り寝坊し、終わった頃に到着。
切羽詰まり
猪乃木楠子にノートを貸してくれるよう頼み込む。
夜に返す約束をして猪乃木の家に行き親しくなって行く。
ゼミの飲み会で知り合った穂峰と意気投合。
穂峰はアパートの階下に住む男の子が母親に
ほったらかしにされているのを見かねて
自分の部屋に連れて来て世話していたら、
母親が警察に通報して逮捕されてしまった気の毒な青年。
だから好きになったのかも。
次回会ったら、
児童福祉士になった理由を話し
アンケートももらう約束をした、のに。
夢でも呼んでいたのに。
再会を楽しみに待っていたのに。
堀貝は酒造工場のバイトを3年以上続けたベテランで、
後輩の安田と後々絡みがあるが、
ひぇ〜⁉️😱と驚くことするヤツなので、
もうこれ以上触れません。
学食で慌て急いでいる吉崎を見つけ声をかけると、
穂峰がバイク🏍️事故で亡くなり実家が島根なので
葬儀に出る為急ぐんだ、と聞かされる。
<堀貝の胸中
穂峰が死んだ⁉️
穂峰にまた会って
聞いて欲しいことがあったのに。
穂峰に会いたい💦
バイトの仕事に身が入らない堀貝。
断り無しに髪の毛を触られビクつく猪乃木。
葬儀に行き穂峰の弟に声かけられた。
吉崎は学校久しぶり。
イラつく吉崎。
堀貝が見舞いに来たが。
電話で話す二人。猪乃木は江ノ島。
猪乃木にもアンケートを頼んでいたので、
酔い潰れた安田を担いで帰ったら待っていてくれた。
いろいろと話して、
あきら君のことも話し、
あきら君への思い入れ、も熱っぽく話す堀貝。
猪乃木の告白、
ゼミで会社訪問の際は髪の毛をまとめなさい。
と髪の毛触られながら注意され、 ビクつく猪乃木❗️
髪の毛を下ろしているのは、
耳の傷を隠す為だと髪を掻き上げ見せる。
(私はもっと目立たなくなっていると思ってしまってた)
だからいつもニット帽🧶被ってるんだ。
実家正月🎍、
バイトでのお別れ会、
あの安田は検品ラインのエースと聞き
自分の存在は? と思い詰める堀貝。
吉崎、(卒論提出したけど)アンケート渡す、
穂峰の告別式の話、
🏍️事故ではなく自〇、首吊る、だと。
前の晩、穂峰と飲んだが異変に気づかなかった。
気づけなかった自分が嫌で、それを思い出させる
堀貝を避けていた。イラついていた。
穂峰のアンケート用紙の裏にキャラクター、
何なんだろう?
(自〇したのは)きっと理由なんか無いんだよ。
卒業パーティー、
吉崎に会い、
穂峰のアパートで形見分けするから来て欲しいと。
🍲猪乃木から牡蠣パーティーの誘い🎵
猪乃木の家、美味しそうな牡蠣。
こんな美味しいもの食べているのに堀貝は、
自分がら処女であるわけは普通の人たちと違い
何かが欠けていると言って落ち込む。
苦しいし、欠陥品だと思い知らされているよう、とも。
欠陥品だから猪乃木の耳の傷にも気づかないのだと。
猪乃木は、バレないようにしてたけど、と笑う。
猪乃木、ご飯🍚無いと嘘つく? なぜ?
おじやにする気分じやないから?
キス💋する。 あら〜。
猪乃木は、
耳の傷は、いろいろな人を傷つけダメにした、
親も離婚した、と話し始める。
中学生の時🚗に当てられ病院に行こうと乗せられ、
乱暴されて草むらに捨てられていた。
助けてくれた女の子たちに堀貝さん似てると猪乃木。
😱犯人捕まえないと😤👹
そんな経験した娘を両親は持て余し祖母の元へ、って
ちょっと酷くないですか。
二人は笑顔で別れた。
穂峰のアパート、形見わけ
形見分けしたパソコンから遺書が見つかったと告げる吉崎
自分は人に影響与えるほどの存在でない。
お世話になりました。しょうご君にもよろしく。
堀貝は、これはしょうご君に挨拶しに行かねばと、
外から窓を打ち破り入り
弱っていたしょうご君を見つけ助け出す。
吉崎は、お前に関係ないだろ、と言うが。
堀貝は居ても立っても居られなかったのだ。
そうこうバタバタしてた時に猪乃木からライン。
行けなかった💦
3ヶ月後、
猪乃木は休学して実家小豆島に。
突然猪乃木の家に行こうとする堀貝。
猪乃木に会いたいのだ。
堀貝は、市の児童福祉課職員として働く。
様々な状況の子供たちを目の当たりにして。
タイトルの”君”は、13年前に誘拐されたあきら君を
指すようです。
犯人よりも若いということ?
しょうご君は母親によるネグレクト。
猪乃木は中学生の時に性暴力に巻き込まれた。
穂峰の自〇は何故?
堀貝が猪乃木のいる小豆島に向かい、
会うことを楽しみにしている猪乃木がいるのは希望ですが
「僕は後8年そいつらより年を取ってる」
・つまり、見えるか見てないか分からない傷は隠すべきだと言っている。人の弱みとして。しかも、傷を持ってるとこんな心理状態になるのか!隠せない傷がある人はどうなるんだ。
・傷に耐えられない者が、それにたえられないから自殺する。とも言っている。
「この映画を
見てくれた人には申し訳ないけど、かなり中途半端な仕上がりになってしまった」と言ってもらいたいなぁ。
相変わらず、思う事は女の子は可愛い子ばかりなのに、男は普通だね、
追記
「先生呼んで来て」は違うだろ!
追記
「そいつら」とは誰だ?流れから判断すれば、絶滅危惧種ヤマトンチュのク⭕️ジジイがまだえばり腐っていた時代の事だろうと思うが。
しかし、産業構造、つまり組織のヒエラルキーのあり方がすべて悪かったわけではない。悪徳の様に今は言われる「年功序列」それは実力主義と変わった。
さて、日本は頑張っているのに、一人あたりのGDPはお隣の国に抜かれている。まァ、それが世界の実力主義だよ。
これからはずっと「君は永遠にそいつらよりも所得が低い」と言われない様に復活!
所得倍増計画だね♥️(ジョークだよ)
追記
原作と映画は大きく違う。
ここでのレビューは男目線の「そいつら」に向けたレビューである。
「僕は後8年そいつらより年を取ってる」
追記
今の人達は土居健郎先生の『甘えの構造』とか読まないのかなぁ?自分の日本人としての精神構造を知っておいたほうが良いんだけどね。
追記
この主人公の時代設定がいい加減。まぁ、原作は原作者の年代で話が進むんだろうが、この映画はスマホやラインがあるんで、現代なんたわろう。そうすると、例えば、ノートをコピーするとかアンケート用紙を配るなんて言うことや車座で男女が酒を飲むなんて事今でもするのか?とそうぞうしてしまう。感想は僕のガキの時代と余り変わらないと思った。まぁ、僕らは友達の下宿で飲み明かすだったけどね。
学生がアルバイトを真剣にやられると永遠に年上の人達は困るんだよね。生活の為に職を探しても無い。しかも、若いやつにはかなわない。つまり、実力主義の時代の狭間なんだよ。雇用主の思う壺。
【”友人の心に負った傷に気付いたら、眼を逸らさずにそっと寄り添う大切さ”を社会人になる直前の不安定な気持ちと共に描く。現代社会に蔓延るネグレクト、児童誘拐に対し、激しい怒りを示した作品でもある。】
ー 序盤は、就職先も児童福祉職に決まり、後は卒業論文提出だけの、どこか覇気のない堀貝(佐久間由衣)が、ヒョンなことから猪乃木(奈緒)と出会う所から始まる。ー
◆感想
・大学の飲み会で酒癖の悪い男子学生に”お前なんかに、児童福祉職が務まるかよ!”と絡まれるシーン。
ー ここが、最後半、効いてくるのである。
だが、彼女はTVで偶々見た、数年前に行方不明になってしまった男の子の事を調べていたのだ。それが、きっかけで児童福祉職を選んだのだ。
又、彼女が選んだ卒業論文のテーマも、その事に影響していると思う。ー
・バイト先で一緒になった男の子の、真剣な悩みに、正面から向き合わない(向き合えない)堀貝の姿。
ー が、ここから、彼女はイロイロな経験をして、人間として成長していくのである。>
・自宅の下の階に住んでいたネグレクトされていた男の子を自宅で預かっていたホミネが、突然死んでしまう。ホミネの親友が、鳥取の葬儀に出席した時に知った真実。
ー ホミネは、自分が男の子を救えなかった事が、心のどこかに鬱々とした思いとして、抱えていたのではないかな・・。
ホミネが遺した、堀貝が卒論作成のために頼んだ、アンケート用紙の裏に書いてあった、明るい感じのキャラクターが、却って彼の苦しみを表している気がした。
そして、その絵に、カラフルな彩色を施した猪乃木。彼女も又、心に深い傷を負っていた事が中盤分かる。きっと、あのカラフルな彩色は、彼女のホミネに対する”想い”ではなかったか・・。ー
・堀貝と猪乃木の間は、徐々に縮まり、猪乃木が言った衝撃の過去。誰にも見せなかった耳の傷。
ー あのような事件は、日本でどれくらい起きているのだろうか・・。、猪乃木が、大学を休学して、お婆ちゃんと住んでいた小豆島に戻ったのも、未だ傷が癒えていないからではないか。ー
・堀貝が、ホミネの家で、彼の親友から形見分けを貰うシーン。彼女は、突然ベランダから身を乗り出し、ホミネが助けようとした男の子の家に”命懸けで“降りる。
そこで、見たネグレクトの酷い実態。
<赤く染めていた髪を黒髪に戻し、堀貝が猪乃木に会いに行くシーン。
”暫しの沈黙の後、猪乃木が、か細い声で言った言葉”良いよ、待ってる・・。”
大学生から社会人になる精神的に不安定な時期に、堀貝が経験した、世の闇。
だが、あのラストシーンを見て、磯貝は良い児童福祉職員になるだろうな・・、と思った作品。>
<2021年10月31日 刈谷日劇にて鑑賞>
どうしたって、しんどい
「なんか楽しい大学生活の話かな?」と観てるんだけど、徐々に話が重くなってくの。
みんな色んな事情を抱えていたり、抱え込まされたりして、それで、それがどうにかなったかというと、特にはどうともならない。それでも……って話と思ったな。
佐久間由衣が良かったよ。こんなに演技うまいんだと思った。引き出した監督がすごいのかな。
話もだいたい自然に流れていって、テレビで未解決誘拐事件が流れるあたりは強引なんだけど、まあ、それがガツンと投げ込まれる話でもあるので、そこは強引でもいいのか。
ほぼ全員、救われてはいないんだけど、それでも救いがないというわけではなくて、ここを書いた原作の津村記久子と、映像化した吉野監督がすごいなと思ったよ。
二人の女優の演技と存在感
日常に潜む様々な闇に翻弄される子どもたちというシリアスな問題を描いていて、これは今の時代だからこそ作られてよかったと思いました。
これから社会に出る大学4年生の主人公・堀貝(佐久間由衣)。
主人公と知り合った、同じ大学の3年生・猪乃木/イノギ(奈緒)。
彼女たちの演技と存在感が素晴らしかった。
己の感情を言葉にできず、責任あることからは逃げて適当に生きてきながらも、堀貝には根には優しく儚くも真摯な心が隠れていて、それが眩しい。
イノギが言う「誰もが気づかれないように隠している【痛み】や【傷】」
「それを、気づいてあげたい」という堀貝の言葉。
架空のキャラでありながら、彼女たちの「これからの人生」と、堀貝の出会う「子供たち」が気になってしまいました。
それは生き生きとしたキャラクターであると同時に、社会の闇の犠牲になっている多くの子供たちの映し身でもあるからなのだろう。
あと、若者を見守りたくなるのは、私が歳を重ねてきて、親や友人ら多くの「死」に立ち合い、報道で残酷な事件を見聞きしてきてしまったことも関係しているかもしれません。
舞台挨拶鑑賞
中盤までは、つまんなかったです。
タイトルの意味がわかりませんでした。
キスにはビックリ、その後のラブシーンも。
自殺は、ビックリですね!
知り合いが以前助けたことのある下の階の子供を見に行くシーンよかったです。
ホリガイ児童福祉士はぴったりですね!
後半よかったです。
モラトリアムから、大人になるまでのあれこれ
あと少しで大学を卒業する一人の女子学生が、のらりくらりと生活してるところ、さまざまな出会いや事件に遭遇しながら大人になっていく話。
そう纏めると、普通の何処にでもあるステレオタイプの映画のようで全く違う。コメディや下ネタっぽい要素も入れながらシリアスな社会問題も絡み、独特の空気感で彼女の胸のうちを紡いでいく秀作。
主人公は部屋も汚いし言葉遣いも行動も雑だし、見た目もお洒落な女子大生ではなくサバサバ系。就職も決まって卒論以外はバイトを少ししながら日々をやり過ごしている。
でも実は自己肯定感が低く自分の性的嗜好にも悩み、人との距離の取り方や社会問題に対しても、表にあまり出さないが真面目に真摯に考えている。そんな生活の中で、ネグレスト、自死、身体的コンプレックス、レイプ、性的嗜好など、自身を含めそれぞれの問題を抱えた人たちに、ちゃんとその人の立場に立って対応できていたのかと葛藤する。
それぞれで一本の映画が撮れそうな重いテーマが次々と出てくるのだけど、深く掘り下げず、かといって浅くもない程度に描き散漫な印象を与えるかもしれないが、彼女がそれらに悩み、ホスピタリティや正義感をもって成長していく姿が清々しい。
佐久間由依ちゃんは、「隠れビッチやってます」でもサバサバ女子を好演してたけど、今作も凄く良い!菜緒ちゃんも「先生、私の隣…」の役柄とは全く違うキャラを上手に演じてた。
ちょっとぶっ飛んだ過激な表現もあり、ご年配の方の評価はもしかすると低くめになるかも?
「処女」
特大級のパワーが秘められた作品でした。
前半は割とゆるい感じで進む物語が、後半になって自身のコンプレックスや意識のない差別侮蔑、暴力や悲壮感、コロッと死んでしまう知り合いなどを畳み掛けるように描いててとても辛くなりました。
でもその中で主人公が生きがいを見つけていくのを、明るく前向きに描いていて心にグサっと刺さりました。「処女」を世界一美しく魅せてくれる、そんな映画でした。
鑑賞日 9/8
鑑賞方法 オンライン試写会にて
素晴らしい作品でした。
観ていて辛いシーンが幾つか有りましたが、何と言いましょうか、ゆっくりと優しく世の中で悩み苦しんでいる人々に寄り添う様な視点が素晴らしいと思います。
また、これは誤解を生みやすい評価かも知れませんが、終盤の主演2人のキスシーンはとても美しかった。
美しく・切なく・儚さを感じさせる素晴らしいシーンでした。
全11件を表示










