君は永遠にそいつらより若いのレビュー・感想・評価
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ラストの意味は観た人の捉え方に任されている
なかなか見ることが出来ず。たまたま横浜の(憧れのミニシネマ)ジャックアンドベティで、観たかったふたつの映画を連続上映してたので、意を決して遠征鑑賞でした。
高評価も納得の映画でした。
唯一問題なのは、佐久間由衣が可愛すぎることぐらいかな。あれでモテないわけが無い。
大学生のチャラチャラした話かと思ったら、なかなかベビーな話になります。
そして、最後は鑑賞者のとらえかた次第で、いろいろな撮り方が出来ます。
こういう映画は好き。
たまたま、舞台挨拶付きで監督だけ来ていました。サプライズで佐久間由衣か奈緒か来ないかな、と期待していましたが、残念。監督だけでした。
ただ、質疑応答があったのは楽しかった。
本当は、最後の方はどういう意図があってどういう意味なのか質問したかったけど、見た人次第で良いのかな。
ネタバレしないではなかなか感想が書きにくいけど、あのキャラがあのシーンに出てくるところでことや、最後の行動や言葉がどういう意味なのか、この辺りはいろいろな捉え方が出来そう。
私は、あの部屋にあのキャラクターが見えたのは、あの部屋の意味やあの部屋にいた人と、そのキャラクターが重なる部分があったからだと思いました。監督はちょっと違うことを言っていましたが。
この映画も、心の病と自死が関係します。
2作連続で同じテーマでした。
こちらも、ポップで楽しい空気も、重い空気のコントラストがとても良い。前半から楽しいシーンや、可愛らしいシーンが多かったので見やすかった。
佐久間由衣は長身の美人なのに、それを封印。
堀貝の抱える劣等感は誰もが持っている。
自分には大切な何かが欠けていると悩む卒業間近の女子大生堀貝。明るくて友達も多そうに見えるが実際はネガティブ思考で他人と深く関わろうとしない。作り笑いでその場を繕って過ごす日々。そんな頃同じ大学の1つ後輩猪乃木と知り合い残された学生生活に色がついてゆく。
虐待という痛みを違う形で共有する2人。心の内を話せる誰かをきっと待っていた。学生という立場がもうすぐ終わり、これから背負ってゆくものの重み。生きている限り悩みは尽きない。
疲れたら休めばいい。好きな髪色にして好きな格好をしたらいい。人なんて誰もが無神経なんだからそんなに自分を卑下することはない。まだまだみんなこれからやんか。私なんかより永遠に若い登場人物達を羨ましく思った。
笠松将は強面のイメージが強かったけどやんわりとした雰囲気良かったです。でも穂峰の遺した言葉は強烈だったな。あんな風に言われると返す言葉が見つからない。
すごく好き
ものすごく見やすかった
生涯大切な人
若さは武器
なんとなく過ごしているようでも、社会に向き合う大学生像
原作を先に読んだ 京都市北区の大学出身の原作者の学生生活の中に、こんな思いがあったのだろうか 原作では京都が舞台になっていて、ホリガイは児童福祉司になるけれども、社会福祉を専門にしている大学ではないから、「福祉」が独善的だと他の学生から言葉をぶつけられていたのだろう ちょっとしたきっかけで児童福祉司を自分の仕事と思い込み、その一点だけは揺るがなく就職を決めたのであるが、周りの同級生や、ゼミ生、下級生、バイト先の同僚の「ひとの痛み」を知るにつけ、その揺るがないはずだった児童福祉への気持ちにも、自信をなくしていく姿 就職・卒業前のモラトリアムと言えばそうだけれど、こういった仕事だから感じる気持ちであろう
原作では就職後虐待ケースに向かっていく「現場」は描かれていないが、本作では最後に「現場」を先輩ケースワーカーと訪問する姿があって、児童福祉司として成長を感じさせる姿がとてもよかった 赤い自転車の忌まわしい記憶を告げたイノギの思いがホリガイには備わり、そしてネグレクトされている子どもを救おうとするも自死した同級生の思いもホリガイの中で生きている
イノギと出会ったこと、他の大学時代に知り得た「ひとの痛み」が昇華されているところにジンとした ああいった大学生活、渦中であれば逃げ出したいと思うことばかりだけれど、振り返ってみて、自分を創り上げた体験・経験であれば、憧れすら感じた セリフの中に「介入」という言葉が何度も何度も出てきたのが気になった 当事者同士の問題に入っていく、ホリガイの幼い時の他人のケンカの仲裁に入っての嫌な経験とか、ネグレクトされている子どもの家に入っていくとか、こういった仕事では避けられない事であろう
主演のお二人は今やいろいろな作品に出られていて、佐久間さんはこの役柄とはまったく違うイメージだし、奈緒さんも大人らしいイメージで、大学生としてのお二人はとても印象的でした
(9月30日 テアトル梅田にて鑑賞)
どうしたって、しんどい
「なんか楽しい大学生活の話かな?」と観てるんだけど、徐々に話が重くなってくの。
みんな色んな事情を抱えていたり、抱え込まされたりして、それで、それがどうにかなったかというと、特にはどうともならない。それでも……って話と思ったな。
佐久間由衣が良かったよ。こんなに演技うまいんだと思った。引き出した監督がすごいのかな。
話もだいたい自然に流れていって、テレビで未解決誘拐事件が流れるあたりは強引なんだけど、まあ、それがガツンと投げ込まれる話でもあるので、そこは強引でもいいのか。
ほぼ全員、救われてはいないんだけど、それでも救いがないというわけではなくて、ここを書いた原作の津村記久子と、映像化した吉野監督がすごいなと思ったよ。
二人の女優の演技と存在感
日常に潜む様々な闇に翻弄される子どもたちというシリアスな問題を描いていて、これは今の時代だからこそ作られてよかったと思いました。
これから社会に出る大学4年生の主人公・堀貝(佐久間由衣)。
主人公と知り合った、同じ大学の3年生・猪乃木/イノギ(奈緒)。
彼女たちの演技と存在感が素晴らしかった。
己の感情を言葉にできず、責任あることからは逃げて適当に生きてきながらも、堀貝には根には優しく儚くも真摯な心が隠れていて、それが眩しい。
イノギが言う「誰もが気づかれないように隠している【痛み】や【傷】」
「それを、気づいてあげたい」という堀貝の言葉。
架空のキャラでありながら、彼女たちの「これからの人生」と、堀貝の出会う「子供たち」が気になってしまいました。
それは生き生きとしたキャラクターであると同時に、社会の闇の犠牲になっている多くの子供たちの映し身でもあるからなのだろう。
あと、若者を見守りたくなるのは、私が歳を重ねてきて、親や友人ら多くの「死」に立ち合い、報道で残酷な事件を見聞きしてきてしまったことも関係しているかもしれません。
自分は他者と比べて何かが決定的に欠けている
映像も音も内容も濃密でした
今の大学生ってこういう感じなのね。
いいことも悪いこともしっかり刺さった
津村記久子さんの原作は未読。
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地元和歌山で児童福祉司になることが決まった東谷大学4年のホリガイ。彼女の卒業までの特別な時間。
気になる男子・ホミネ。飲み会の後、二人で帰るホリガイとホミネが好きだった。好きなシーンだった。ホミネの死にホリガイと激しい喪失感を共有した。
3年の女子・イノギとの触れ合いが好きだった。お互いの傷を知った二人。その時、その場所にいなかったことを悔やむ二人。幾度となくすれ違い、近くなり過ぎることのない二人の距離が好きだった。
虐待され育児放棄された少年を命がけで助けたホリガイ。立派な児童福祉司になるだろう。きっと。
静かに、しかし深く感動した。いいことも悪いことも、その一つ一つがしっかり刺さった。真っ当な無常感があった。
今年の日本映画のベストワン候補だ。
人間の焦りや、そこから抜け出したい弱さとか、人としての繊細な部分を...
とっちらかったことしか言えない
児童福祉士の就職が決まった女子大学4年生を取り巻く人間模様。
過去に虐待された過去をもつ女子大生イノギとの関係、自殺した親友の理由がわからずにいる同級生、女性とうまく関係を結べないバイトの後輩男性。
その取り巻きとの関係が同時に動いているので、確かに主人公が自虐的にいうセリフ「とっちらかったことしか言えない」ように、この映画もとっちらかったようにみえる。どこか主軸があって感情が盛り上がっていくことがなかった。
私自身、学生時代にとても孤独な生活を送っていたので、こうした陰のある人たちさえも友達がつくれているので、シアワセな大学生活のように思える。いまどきの学生の軽さと要領の良さ、それとシリアスな中身、そのバランスをとっていたかのようだったが、「とっちらかっていた」。
最後フェリーでイノギに訴える電話もいまひとつ、共感がわかなかった。
それでも、学生から就職するまでの人生の転機の不安定さはよく出ていたと思う。
モラトリアムの焦燥感
トラウマって、十人十色だな…
トラウマって、人によって様々なんだよね。側から見れば些細なことでも、本人からしたらその後の生き方を変える程の心の傷…
本作では、同級生から受けた暴力や、大人からの卑劣な暴行といったものから、まさかのアソコが大き過ぎる問題まで…苦笑
挙げ句の果ては、何が心の傷なのか本人も分からないままの自殺…
「理由は聞かないで、俺も何でか分からないから…」という遺書には地味に衝撃を受けましたよ…
そんな濃淡様々な心の傷を抱えた大学生たちの物語を、エンタメ界で引っ張りだこの奈緒と、どこかユルい感じの佐久間由依が好演してます。
どこか冷めてるんだけど、若者らしい青臭さもあって、20年ほど前の自分を思い出して懐かしくもあり…
個人的MVPは、アソコ問題を捻らせるヤスイ役の葵揚くんかな 笑
ここから一波乱起きそうだなってところで終わっちゃうので、色々妄想が広げられそうな作品ですな 笑
余談ですが、観賞後に売店にて…
私「パンフレットください」
店員「¥1,800になります」
私「ファッ?!」
もうひと作品鑑賞できる価格です…
おそらく一週間あっても全てに目を通す自信がない程分厚く、パンフではなくもはや書籍です… 笑
一応購入しましたが、皆さんご注意を…
2人の幸せを願わずにはいられない
自分は人として何かが欠けてるって思いを持っている人は意外といるんじゃないだろうか。だから自分は〜ができないんだって思うってしまう。自分もそうだから、堀貝さんのそんなセリフを聞いて少しドキッとしてしまった。
卒業後、地元で児童福祉司として働くことが決まっている堀貝さんと、ノートを借りたことで仲良くなっていく猪乃木さんとの交流を描いた物語。なんだけど、周りの男たちの言動や彼女たちの過去、そして下の階の子どもを保護した穂峰くんのエピソードなんかがじわじわと不快でイヤーな気分にさせていく。ほのぼのしてたり飄々とした会話でごまかされてしまいそうになるが、過酷な現実がうまく描かれていた。
そんな中で、「欠けている」感覚が合っていたのか距離を縮めていく2人。お互いの過去の秘密を告白することでさらに2人の仲が深まっていく過程がとてもよかった。そして卒業式後のカキ鍋。食べて飲む2人の幸せそうな笑顔。その後にかわされる会話。どれも悲しくて切なくて愛おしかった。堀貝さんは最初こんな感じでいろんなことを茶化す人はイヤだななんて思っていたけど、目をそらさず物事に向き合ったり、でも逃げたり、やっぱりほっとけなかったりって姿が人間臭くて好きになってしまった。2人にはそれぞれ幸せに、というか前向きな人生を送ってもらいたいなと思ってしまう。映画の登場人物だけど。
今後この2人がどうなるのかハッキリさせたわけではないが、バッドエンドではない。うまく言葉で伝えられないし、みんなが同じように受け取る自信がないから、万人にオススメできる映画ではない。でも、よかった!と言ってくれる人とはいろんなことを話し合いたい。そんなことを思わせる、いい映画だった。原作は未読だけど、読んでみたくなる。
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