「僕は永遠にそいつらのことを知らない」君は永遠にそいつらより若い SPQRさんの映画レビュー(感想・評価)
僕は永遠にそいつらのことを知らない
映画を見る体力のない私は、中盤までの幾つかのシーンが軽くてまとまりが無いものに感じてしまった。「外側」の視え方の集合は、そう見えた。
終盤にかけてそれぞれの登場人物側の視野に立ったような格好でシーンが回収されていき、それを踏まえて話が進んでいく。
家庭環境、恋愛と性、バイト・仕事、およそ普通の人が抱えるであろうあらゆる悩みの種となる人生のイベントが程よく織り込まれている。
繊細ゆえに、一つ一つの悩ましいことに引っかかる登場人物たちは、ものすごく丁寧に生きている人たちなのかもしれない。
「見えない」ところから何かを「読み」取ろうとしてまで人を助けるという役割は社会の中において欠かせない。
「見える」ものだけで世の中が回っているわけではなく、そういう人たちの思いやりが社会の機能の隙間を埋めているということなのだろう。
そこに男女の別など関係ないと言おうとしているのかという描写もあった。
社会の隙間を埋める人たちや、そういう職業をされている人たちに対してリスペクトを禁じ得ない、そんな重みのある映画だったように思う。
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