劇場公開日 2021年9月17日

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「主人公の2人は、もう、ただただ可愛いね! ずっと見ていたいくらい可...」君は永遠にそいつらより若い エミさんさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5主人公の2人は、もう、ただただ可愛いね! ずっと見ていたいくらい可...

2020年11月11日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

主人公の2人は、もう、ただただ可愛いね!
ずっと見ていたいくらい可愛いかった…(๑˃̵ᴗ˂̵)

第一印象は普通に「なるほど、こうなったかぁ〜」という感嘆が、1番しっくりくるかな?
原作を知っているから繋がるけど、特に冒頭の自転車ショットはちょっと難しくて、端折りが厳しいと思えた。

この映画の原作、津村記久子氏の同名小説を読んだ時、文学的で力強い表現の多さに加え、登場人物達がそれぞれに抱える、自分ではどうにもならない理不尽さとの対峙表現がとても斬新で、躍動的で面白さに衝撃を受けたが、吉野竜平監督が作り上げたこの作品は、登場人物も多く、沢山の要素が詰まっていることもあってか、大分、原作内容を削ぎ落としてしまっていたものの、それでも1番大事な伝えたいものはより鮮明に、そして、じわりじわりとくる静かな温かい余韻。優しい印象を感じました。

主人公である女子大生ホリガイは、今どき日本の若者の中でも実に平均的な若者の象徴と言える存在だ。イケてるか?イケてないか?でくくるなら、イケてない方の女子大生代表。
グダグダとした毎日を送っている。
今まで特に大きな事件にも巻き込まれることもなく中流の幸せな人生。
グラビアアイドル達の切り抜きを壁に貼り、彼女たちの『計算され尽くした笑顔』を見て安心を得ているところなんて滑稽で人間臭くて面白い。
でも一方では、児童福祉士という仕事の目標を持っていて、実はコツコツと勉強して誰よりも先に単位も修得し就職も決まるというソツのなさも持ち合わせていたりもする。

世の中、とかく目立つヤツに注目が集まる。この作品はそれと真逆の、口には出さないが、他人には分からない何かと対峙しながら生きている普通な人達に焦点を当てているところが興味深いところ。
自分には経験のないトラウマを抱えた人の傷に触れた時。
いつも身近に思えてた人が自分の生活から不意に居なくなってしまった時。
そんな理不尽な『暴力』が突然現れたら、人はどうすればいいだろうか?
新しい生活様式に変化した今の時代にとても合致した問いかけだ。
突然、何かが変わっても、静かにそれを受け入れて、生きていかねばならない私たちの営み。不自然だけど、自然に変化させる強さを人は持っている。人は、物理的には1人でも心理的には見えないちからで繋がっている。それだけでも生きる支えになるのだ。
この作品もそんなようなメッセージが込められていた様に思えた。なんとなくでも寄り添ってあげられるような心の温かい人達が増えて欲しいです。それが新しい生活様式の副産物であって欲しいです。

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エミさん