水を抱く女のレビュー・感想・評価
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よく物を落とす・・・水の精霊だから陸では握力がない?
水の精霊ウンディーネ 魂はないが人間の男性と結婚すると魂を得る。しかしそれには大きな禁忌がつきまとう。
・ウンディーネは水のそばで夫に罵倒されると水に帰ってしまう
・夫が不倫した場合は、ウンディーネは夫を殺さなければならない
・水に帰ったウンディーネは魂を失う・・・(wikiより)
この予備知識だけでOK。この水の精霊ウンディーネの話を頭に叩き込んでおけば映画も観やすくなってきます。まずは恋人ヨハネスから切り出す別れ話。そして潜水夫クリストフと運命的な出会い。「別れるならあなたを殺さなければならない」といった怖い台詞もあったけど、新恋人と順調に愛を育むと元カレを忘れてしまったかのように・・・
ちょっとだけホラーっぽい演出もあったりして、伝説が上手く表現されていたように思う。潜水夫クリストフがダム湖で脳死状態になったという意外性。その意識不明状態のときに電話で罵倒されたのも伝説通りなのかもしれない。さすがに2年後のエピソードは、悲恋がクリストフには当てはまらないため蛇足だと感じた。クリストフが奇跡的に数ヶ月後に目を覚まして、ウンディーネを探し彷徨する・・・そこで終わってもいいんじゃない?
ベルリンの歴史を説明するシーンも好き。クリストフが惚れるのも無理は無い。結局のところ、愛を求めるように水に対する欲求も強いのだろうか、ベルリンの歴史も水槽もダム湖も、常に水を求めていた印象が残る。まぁ、タイトル通りですかね。予備知識がない人のために精霊の話を冒頭に入れておいたほうが親切かもしれない。
ギリシャ神話から?難しい!
ベルリンの都市開発を研究する学芸員のウンディーネは、博物館でガイドとして働いている。恋人のヨハネスが浮気し、落ち込んでる時に彼女の前に、潜水作業員のクリストフが現れる。2人は惹かれ合い、愛し合っていく。
そんな時、クリストフが潜水作業中に12分間酸素が行かなくなり脳死状態になる、ショックを受けたウンディーネは元カレのヨハネスをプールで溺死させ、その後入水自殺を図る。
すると、クリストフが脳死から復活し・・・みたいななんとも不思議で難解な話。
ウンディーネとはギリシャ神話の水の精霊らしく、これから来てるらしいのだが、難しかった。
個人的に感じた事だが、主人公の女性が美しくなく華やかさもなく、その恋人役の男性2人もイケメンでもなくあまりパッとせず、キャスト選定が悪いと思った。
【”哀しき、伯林、水夢譚・・・” ”Stay Alive in the Water Forever・・・”】
ー 主人公のベルリン、都市開発を研究するフリーランスの博物館ガイドの名は、”ウンディーネ”
劇中、水中の橋脚に記された”ウンディーネ”の名を見て、
”あ、この作品、ダーク・ファンタジー系だ・・”
と気付く・・。ー
◆ウンディーネ(オンディーネ)
地・水・風・火の四大精霊のうち、”水”の精霊。
映画でも描かれている通り、愛する男が不倫した場合は、容赦なく殺すが、精霊であるので様々な物語では、哀しき美しい女性として描かれることが多い。(個人的記憶です・・)
■感想
・ストーリーとしては、粗い部分もあるが、”水”の精霊の怖さ、哀しさ、愛らしさをパウラ・ベーアが、頑張って演じている。
・但し、個人的な感想だが、キャストとしては、
”肌が白く、髪が長く、謎めいた雰囲気を持つ女優さん”
が、良かったのではないかなあ、と思った。
今だと、誰かなあ・・。
ドイツ映画なのでニーナ・ホスか、ダイアン・クルーガーが良いかなあ・・。
ダイアン姉さんだと、怖すぎるか・・。
<それにしても、クリストフ君(フランツ・ロゴフスキ:「希望の灯り」の過去を隠し、生きる男を演じた姿が、印象的である。)、浮気者ヨハネスみたいに水中に沈められなくて、良かったね。
ヤッパリ女性を愛する恋の深さで、男の生死は決まるのかなあ・・。
怖い、怖い・・。身に覚えのある男にとっては、怖い話なんだろうなあ・・。>
水の精ウンディーネ
めちゃめっちゃネタバレなので読まれる方はご了承ください。
久々の英語以外の外国映画鑑賞だったのでワクワクしました。
雰囲気だけで選んだのですが不思議な世界観に魅了されました。
まず鑑賞後に〝ウンディーネ〟について調べたら神話に出てくる水の精なのですね。
湖や泉に住んでいてほとんどの場合美しい女性の姿をしているとされ人間との悲恋物語が多く伝えられている。
ウンディーネには本来魂がないが人間の男性と結婚すると魂を得る…とありました。
しかしこれには大きなタブーがつきまとうらしいのです。
その1:ウンディーネは水のそばで夫に罵倒されると水に帰ってしまう。
その2:夫が不倫した場合ウンディーネは夫を殺さねばならない。
その3:水に帰ったウンディーネは魂を失う。
まさに本作はこの神話の現代版でした。
初っ端浮気してるヨハネスにウンディーネが強い口調で〝愛してるって言わないと殺す〟と言っていたのですが、なるほどなぁと思いました。
主役のウンディーネがベルリンの都市開発を研究する歴史家で博物館でガイドとして働いている設定なので彼女の解説を聞いて勉強になった。
潜水作業員クリストフに強く惹かれるのも水の精だから納得!
愛し合ってもだんだんと悲恋の方に向かっていくのはウンディーネの宿命だったのね。悲しい。
第70回ベルリン国際映画祭で受賞したパウラ・ベーアが演じたウンディーネは美しかった。瞳に引きずり込まれそう。
湖にかえってしまうシーンが忘れられない。
意味をわかった上でもう一度みたい作品。
潜水夫のクリストフはベッドでも潜り技が得意
博物館のフリーランスのガイドのウンディーネは付き合っているプレイボーイ風のヨハネスから呼び出され、別れをほのめかされる場面から始まる。私を捨てたら殺さなければならなくなると言うウンディーネ。ガイドが終わるまで30分待っていてとヨハネスに言うが、ヨハネスはその間に立ち去ってしまう。ヨハネスを探して、喫茶店の大きな水槽が置いてある食器棚の前にくると、彼女の様子がおかしい。何かに取りつかれたよう。そこへ、ガイドを聞いていたクリストフが話しかけてくる。放心状態で携帯を床に落としてしまうウンディーヌ。クリストフが拾いあげると食器棚のスプーンやフォークが落ちる。慌てて戻そうとするクリストフ。水槽のなかには槍を持った陶器製の潜水夫の置物がある。突然地震が来たように水槽がガタガタ揺れ出す。水槽の前面のガラスが割れて、二人は大量の水の勢いで床に倒れるが、ずぶ濡れでみつめあったまま起き上がらない。ウンディーネの胸には割れた水槽のガラス片が刺さり、濡れて肌にぺったりと張り付いた純白のシャツに赤い血がにじむ。
クリストフは郊外のダムでの潜水作業を請け負っており、3人のチームで仕事していたが、作業中に2メートル以上の巨大なナマズに遭遇する。湖底には水没した古代の遺跡のようなアーチ型の建造物があり、UNDINE❤️と刻まれた文字を見つける。作業は終わったが、クリストフだけは帰らずに週末そのダムに残る。郊外のひなびた駅に列車が到着して、降り立ったのはウンディーネだった。電車で行ったり来たりして、ホームでの別れのシーンがどれも素敵でした。
ウンディーネがヨハネスを殺してから、水に還るシーンは、下から沸き上がる泡の映像を逆廻し。
水に還ることでクリストフを生き返らせる。
水の精ウンディーネがヨハネスへの未練を抱きつつも、クリストフとの恋を楽しむのは、二股じゃないの?みたいな違和感もちょっと感じてしまったが、予告編でもあるすれ違いざまに振りかえる場面がすごくいいので、許します。
あの陶器製の潜水夫の置物にも何か古代の魔力が備わっていたとしか思えないストーリーでした。巨大なナマズはウンディーネのボディーガードか?
フィン、ゴーグル、酸素ボンベを外して、ナマズのエラにつかまって泳ぐシーンからの蘇生シーン。人工呼吸のおねだり。ウンディーネは欲しがりやさんでした。
2年後のクリストフが結婚して、子供もできたのにウンディーネを忘れられないことを知っでしまった彼女(マリアム・ザリー、イランの女優さん)がかわいそう。二人の女優さんの目の演技がとてもよかったです。
水中という神秘的な世界観を
横浜アバック座にて試写会鑑賞。
劇場公開が少ないという事もあってあまり予告を見ずに鑑賞。非常に神秘的でありアート性高めの作品ではある為好みは分かれる作品であると思う。
恥ずかしながら僕はこの作品で大切となる感性は未熟ながら持ち合わせておらず作品を十分に理解する事ができず、そうなると同時に十分に楽しむ事もできず…
ただ水中という神秘的な世界と主人公のウンディーネと恋人のクリストフとの間柄をうまく交えた作品でありその神秘性たるシーンはある程度惹きつけられた。
出会いの水槽からはじまり、恋が深まるシーンも水辺が絡み最後はクリストフの脳死の回復もウンディーネが水中と化すことで奇跡的な回復を遂げる。この辺の創造性溢れた描写は惹きつけられたが、心理描写が残念ながら理解が追いつかず所々でポカーンとしてしまった。
相手の感性を知らないとなかなか強く勧めることはできない作品ではあるが、僕のように慣れない人でもこういう作品にたまに触れるのも良い。
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