「潜水夫のクリストフはベッドでも潜り技が得意」水を抱く女 カールⅢ世さんの映画レビュー(感想・評価)
潜水夫のクリストフはベッドでも潜り技が得意
博物館のフリーランスのガイドのウンディーネは付き合っているプレイボーイ風のヨハネスから呼び出され、別れをほのめかされる場面から始まる。私を捨てたら殺さなければならなくなると言うウンディーネ。ガイドが終わるまで30分待っていてとヨハネスに言うが、ヨハネスはその間に立ち去ってしまう。ヨハネスを探して、喫茶店の大きな水槽が置いてある食器棚の前にくると、彼女の様子がおかしい。何かに取りつかれたよう。そこへ、ガイドを聞いていたクリストフが話しかけてくる。放心状態で携帯を床に落としてしまうウンディーヌ。クリストフが拾いあげると食器棚のスプーンやフォークが落ちる。慌てて戻そうとするクリストフ。水槽のなかには槍を持った陶器製の潜水夫の置物がある。突然地震が来たように水槽がガタガタ揺れ出す。水槽の前面のガラスが割れて、二人は大量の水の勢いで床に倒れるが、ずぶ濡れでみつめあったまま起き上がらない。ウンディーネの胸には割れた水槽のガラス片が刺さり、濡れて肌にぺったりと張り付いた純白のシャツに赤い血がにじむ。
クリストフは郊外のダムでの潜水作業を請け負っており、3人のチームで仕事していたが、作業中に2メートル以上の巨大なナマズに遭遇する。湖底には水没した古代の遺跡のようなアーチ型の建造物があり、UNDINE❤️と刻まれた文字を見つける。作業は終わったが、クリストフだけは帰らずに週末そのダムに残る。郊外のひなびた駅に列車が到着して、降り立ったのはウンディーネだった。電車で行ったり来たりして、ホームでの別れのシーンがどれも素敵でした。
ウンディーネがヨハネスを殺してから、水に還るシーンは、下から沸き上がる泡の映像を逆廻し。
水に還ることでクリストフを生き返らせる。
水の精ウンディーネがヨハネスへの未練を抱きつつも、クリストフとの恋を楽しむのは、二股じゃないの?みたいな違和感もちょっと感じてしまったが、予告編でもあるすれ違いざまに振りかえる場面がすごくいいので、許します。
あの陶器製の潜水夫の置物にも何か古代の魔力が備わっていたとしか思えないストーリーでした。巨大なナマズはウンディーネのボディーガードか?
フィン、ゴーグル、酸素ボンベを外して、ナマズのエラにつかまって泳ぐシーンからの蘇生シーン。人工呼吸のおねだり。ウンディーネは欲しがりやさんでした。
2年後のクリストフが結婚して、子供もできたのにウンディーネを忘れられないことを知っでしまった彼女(マリアム・ザリー、イランの女優さん)がかわいそう。二人の女優さんの目の演技がとてもよかったです。
カール三世さん
やはり「水の女」と「山逢いのホテル」、抱き合わせでご覧になってましたね!
水とか、ダムとか、我々の不安を煽るのは何故なんでしょうねぇ。神話セイレーンも世界各地の人魚伝説も水の女です。
女は水。女は水物。
引きずり込まれる男たちの弱さってあるかも・・
ではでは😆🖐️