「"彼"は"ここ"にいない」選ばなかったみち せつこんさんの映画レビュー(感想・評価)
"彼"は"ここ"にいない
クリックして本文を読む
若年性アルツハイマーを患った父が医者に行く道中で過去を彷徨う話し。
現在の父は完全に意思疎通がはかれないほど認知症が悪化していて、記憶が混在しているのでメキシコでの生活や海岸(場所どこか忘れた)でも出来事が混ぜて語られる。これが『ファーザー』同様に記憶が混ざっているからこうなってるのかと思いきや、本作は父、本当にそこに旅に行っている模様。
最初過去と思われるパートでもなんかボケてるような雰囲気の父で、最後に見せられていたものがあの時こうしていればのwhat ifの話だと明かされて納得。特に、娘に似てる女子に絡む所普通に居酒屋によくいる無駄に絡んでくるめんどくさいオジで笑う。
献身的に父を支えるエル・ファニング演じる娘がとても愛おしい。自分の仕事に支障が出ても父を見捨てないのは、この父が家族を選び他を捨てたからこそ。でも、最後、部屋から去っていく娘と父を愛する娘、2人の娘が部屋にいるのを見せられるとこの献身的な娘ももしやwhat ifの姿なのではないかと怖くなる。
この選択によって違う未来があるのを見せられるのはゲームのバットエンドハッピーエンドのようでもあり、まさにマルチバースだった。
コメントする