「【自分、友だち、《社会》、《家族》】」17歳の瞳に映る世界 ワンコさんの映画レビュー(感想・評価)
【自分、友だち、《社会》、《家族》】
これは、多くの人に観て欲しいと思う。
行き場のない思いを、どのように抱え、思い悩み、どう行動するのか、妊娠に気がついたアメリカの女子高校生の視点で描かれる。
タイトルにある「自分」「友だち」は、多くの場合、悩み、相談をする順番だと思う。
そして、《》で括った《社会》と《家族》は、これにどう対処すべきか、実は、非常に重要であるのに対して、こうした若者のカテゴリーの位置付けは定まっていないし、入っていない可能性だってあるのだ。
それは、そうした解決の社会システムがあることを知らないこともあるだろうし、家族の場合は、親子関係が不安定だったり、家庭内暴力がある場合は、選択肢に入れることすら危ういことだったりするかもしれない。
「まん延防止等重点措置」は覚えられないくせに、「自助、共助、公助」を念仏のように唱える国のトップがいるが、本来、個人や社会の関係は有機的であり、時代時代の価値観の変化によって、順番付けより、ケースバイケースで、柔軟に変化する社会システムの構築の方がもっと大切なだということを考えることができないのか、呆れてしまう。
日本の場合も、こうした映画で描かれていたようなことはあるに違いない。
河瀬直美さんの「朝が来る」に取り上げられたテーマも、一部、これを含んでいたではないか。
家庭が不安定な場合をリスクと考えて、性教育、相談窓口の開設と周知、更に、アフターピルの機動的な利用規定やカウンセリング・システムの構築など、社会として出来ることは沢山あると考える。
この作品は、ストーリーをそのまま受け取るというより、どうしたら良いのか考える機会を投げかけた映画だ時思う。
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