劇場公開日 2023年12月22日

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「アメリカ国内での放映が専ら想定されているとは思うが、おすすめ枠。」ファースト・カウ yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5アメリカ国内での放映が専ら想定されているとは思うが、おすすめ枠。

2023年12月23日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

今年430本目(合計1,080本目/今月(2023年12月度)31本目)。
(参考)前期214本目(合計865本目/今月(2023年6月度まで))

 ※ その帰りにスパイ・ファミリーを見て帰りましたが、アニメ作品に関しては憲法論的な解釈ができる映画以外はレビュー対象外です。

 日本では高校世界史でもあまり扱わない、いわゆる開拓時代を舞台にした映画で、原作小説がありその映画化ということであるようです。よって小説の内容を超えることができないという制限がまず存在します。

 結論からいうと、「ストーリーの流れはわかりやすいのだが、日本では扱わない部分が多々あり固有名詞で詰まってしまうところもあるが、おそらくアメリカの先住民族等も含めた、「当時の色々な人々の存在」をテーマにした、国内の教育映画?の趣旨のにおいが結構する映画」です。

 ストーリー自体は、そうそう序盤に仲間になった2人が、「ドーナツもどき」から「牛乳」を得て「ドーナツ」(ここでいうドーナツは、日本では沖縄のサーターアンダギーのほうが趣旨的に近い?)、さらに「ドーナツに色々なフレーバー等をかけたもの」等を売り始めて一見成功を収めたに思える2人にかかわってくる災難とは…という趣旨の映画です。

 ストーリーの趣旨はこのようにわかりやすいのですが、もっぱら映画は国内(アメリカ国内)を想定されているように思えます。これより少し難しい映画になると、余りに難しい語句については難易度調整のため難易度の高い字幕にセリフがつくなどしますが、それがないからです。このため、一部のセリフが何を言っているのかわからず、そういった固有名詞が続くところがあるので、「×××が×××で、×××だ」みたいな、類推して読むのも限界が来るような字幕が出るところもあります(当然英単語もマニアックなので、聞き取れてもどうしようもない)。

 ただこの点は小説通りなのだと思うし、日本で日本の歴史(日本史)について扱う範囲と、海外(アメリカ等)から見たそれが明確に違うのと同じことがこの映画のそれであり、こういうことが日本で見る場合に生じるのは仕方がないというところです。

 多少のアクションシーンも「一応」ありますが、いわゆる南北戦争よりも前の開拓時代を描く映画として、作話の範囲ではありますが「先住民族がいる中でどういった暮らしになっていたのか」という点に触れている点で(日本から見ると)良い映画かな、といったところです。

 採点に関しては以下を考慮したものです。

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 (減点0.3/一部のセリフがわかりにくい、類推にも限界がある)

 上記のように、「ドーナツもどき」から「ドーナツ」、さらに「ドーナツに味付けをしたもの」(映画内ではシナモンだったかな)を売るように「売上が拡大する」描写があります。一方で、映画内で描かれる「通貨」として「金」「銀」「貝殻」の3つが出ます。「金」と「銀」とでは(通常は)「金」のほうが高いところ、たとえば1「金」が何銀に相当するのかという「相場」がはっきりしないので(「貝殻」にいたっては「金」「銀」の下の通貨の扱いなのか、あるいは上なのかもよくわからない)、映画内で「銀を金にした」等言っているシーンあたりも「どのあたりのレート相場だったのか」が謎なので(かつ、当時の話なので、ドーナツ1つの価格を現在の日本なりアメリカの一般的な価格から類推しても仕方がない)、ややこの辺混乱させてくるところがあります。

 また「クリベッジの相手がいなくなった」(映画の中盤から終盤あたり)は???な方も多いんじゃないかな…といったところです。
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 (減点なし/参考/「クリベッジ」について)

 イギリス発祥のカードゲーム(トランプを使うゲーム)で、2人以上で遊べますが、通常は2人プレーのカードゲーム(トランプゲーム)です。色々な役を作っていって一定の点数を超えたほうが勝ち、という、いわゆる「役作りで点を稼いで一定点数超えを狙う」というゲームです。点数計算が個々の処理で発生して「点数計算」が面倒なゲームなので「1点」から「121点」まで穴があいていて、点数が増えるとそこにおはじき等を置く「クリベッジボード」というものもありました(現在ではコンピュータとやる場合は勝手に計算してもらえるし、電卓でも何でも計算できるが、当時はそうではなかった。また、121点制が正式ルールだが、それだとゲームが(2人用でも)長くなるため61点制にするルールもあった)。

 ※ 日本ではマイナーですが、トランプカードさえあればできるゲームなので、ある程度遊ばれているゲームではあるようです。

yukispica