「なんだかずっと息苦しい」潜水艦クルスクの生存者たち コビトカバさんの映画レビュー(感想・評価)
なんだかずっと息苦しい
この事故の事を知らず、映画を観てからいろいろ調べてみた。
内部でのやりとりなどは脚色されているにしても、外の様子は概ね劇中で描かれているとおりだった。
先日『親愛なる同志たちへ』も観たが、共産主義・社会主義から体制は変わろうとも、本質的な部分は、ソ連時代と20年前も現在と大差ないように感じた。
劇中、何度も「このクソジジイ」と思ったが、マックス・フォン・シドーだったか。
これが遺作となったようだけど、とはいえクソジジイに変わりはない。
報道陣や関係者のいるところで、あんな発言が出来るものだ。
ロシア国防省が撮影協力を拒否したのも分かる気がする。
生きる希望は捨てない、しかし救助が上手くいかない。中にいる自分達にはどうする事も出来ないもどかしさと焦り、苛立ち、死への恐怖。ハラハラというより、中の乗組員たちと一緒に息苦しさのようなものを感じながら観ていた気がする。
ビンターベア監督としては『アナザーラウンド』よりも前に製作された作品だけど、このタイミングでの公開は偶然なのか、今の情勢を見てなのか、どっちなんだろう。
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