「【現況下のロシアを統べる愚かしき男の行為故か、物凄く心に沁みた作品。独裁国家は平気で嘘を付き、犠牲になるのは下級軍人及び無辜なる民衆である。人間は何時になったら”戦争を止める”学びを始めるのか・・。】」潜水艦クルスクの生存者たち NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【現況下のロシアを統べる愚かしき男の行為故か、物凄く心に沁みた作品。独裁国家は平気で嘘を付き、犠牲になるのは下級軍人及び無辜なる民衆である。人間は何時になったら”戦争を止める”学びを始めるのか・・。】
ー 2000年に発生し、乗員118名全員が死亡した潜水艦クルスクの事故の映画化。因みに、この時の大統領はプーチンである。
愚かしき男は、今作同様、アメリカ、イギリス、ノルウェー各国海軍の救助支援を拒否した。
だが、船尾に有った第九区画にいた29名は、暫く存命していたメモが、その後発見された。
プーチンは、その非常時に保養地に行っていたそうである・・。-
◆感想<Caution! 内容に触れています。>
・最初は原潜クルスクの司令官ミハイル(マティアス・スーナーツル)等が米語を話している事に違和感を感じたが、そんな思いは直ぐに吹っ飛び、物語に没入した。
・船員の結婚式から始まり、海軍魂を誇示する海兵たち。
ー お金が足りなくて、ミハイルが腕時計を出す。後半に効いてくる。ー
・軍事演習に出たクルクスは、魚雷の暴発により、先頭部分は大破。最後尾に海兵たちは逃げ込むが、徐々に酸素は薄くなり、海水に晒されているため、衰弱していく。
- ミハイルが意を決して、酸素を創り出す装置のカートリッジを水中、取りに行くシーンは迫力十分である。-
・一方残されたミハイルの妻(レア・セドゥ)達残された家族は、軍の高官たちが真の情報を流さなかったり、嘘を言う事に激高する。
軍の高官が言う言葉は”船がぶつかった事故”から挙句の果ては、NATOの強硬姿勢が遠因である”とまで、言う。
- 何処でも同じ。今のウクライナでも同じ。脳内で、激しく激高したシーンである。-
・英国海軍の准将(コリン・ファース)も旧知のロシアの高官(彼だけが辛うじて、理性を持っているように見えたが・・。)に連絡し、直ぐにでも救助に行くと伝えるが、その高官は罷免され、年老いた大統領の傀儡に過ぎない男が、全権を握り、准将の申し出を断る。
- ”あのなあ、まだミハイル達は生きているんだよ!必死にな!”お前らの面子なんか、どうでも良いんだよ!”怒りが更に沸騰する。ー
<ロシアの海軍のトップが国辱・・を言い訳にしている間に、貴重な23人の命は失われる。
葬儀の際に、レア・セドゥ演じるミハイルの妻が、衰弱した中、ミハイルが遺した言葉を涙を流しながら、読み上げる。
ミハイルの息子は年老いた大統領の傀儡に過ぎない高官を、葬儀の間中、凄い目で睨みつけ、彼の差し伸べた手に、手を出さない。次の子も。その次の子も・・。
そして、総てが終わった後、理性の欠片の残る海軍関係者の男が、セドゥとミハイルの息子の所にやって来て、”さっきは、偉かったな・・”と言って父の腕時計を差し出す。
現況下、ロシアがイロイロと理由を付けて、ウクライナへ進行しているニュースが連日流される。
その最前線で闘ってる兵士たちの家族は、何を思っているのだろうか・・。
国家統制が進み過ぎると、国は独裁国家となり、制御不可能になる事は、3000年前から人類が経験してきた事である。
今作は、もはや映画ではない。現代社会で起きていること、そのものなのである。>
こんばんは!
確かに、今更ですが本作は全編英語でしたね。それもエンディングの長さに関係ありそうですね。
チェルノブイリも今週観に行きます。
独裁国家は恐ろしいですね。本作は外国製作でしたが、今後純粋なロシア製映画は観られるのでしょうか。。