「【赦し、優しさ】」秘密への招待状 ワンコさんの映画レビュー(感想・評価)
【赦し、優しさ】
昨晩、土曜のNHKのドラマ「六畳間のピアノマン」で、亡くなった息子との回想シーンがあって、そこで、父が息子に「大変な時こそ人に優しくするんだぞ」と語りかけていた。
人は常に優しくは出来たとしても、辛い出来事や悲しみ、痛みを経験しないと、優しくすることの本当の意味を理解できないのかもしれない。
(以下ネタバレ)
テレサは、自身の病気と運命を知り、そして、
イザベルのグレイスとの別れの辛さを理解したのかもしれない。
残される家族の辛さを考えたのかもしれない。
インドの孤児院で孤児と向き合うイザベルの逞しく変わった姿をみて、きっと、彼女はグレイスを捨てたのではないと理解できたのかもしれない。
樹上から巣とともに落ちた卵を見て、親鳥の悲しさを考えたのかもしれない。
テレサは、イザベルがオスカーやグレイスと和解しなくてはならないと考えたのかもしれない。
そして、自分が去る悲しさに再び向き合ったのかもしれない。
そして、残されたイザベルも、オスカーも、グレイスも、それを理解したのだ。
インドの孤児院のジェイが、イザベルにニューヨークに一緒に行かないかと誘われ、いや、自分は友達がいるから、ここに残ると伝える。
イザベルは淋しかったかもしれない。
でも、ジェイは強く育ったと理解できたのだ。
イザベルのジェイへの接し方は間違っていなかったのだ。
イザベルの、これまでの生き方も間違ってはいなかったのだ。
過去を振り返り、自分を客観的に、時に反省をすることは大切かもしれない。
だが、それを乗り越え、自分を受け入れることの大切さをテレサはイザベルに伝えたのだ。
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