カオス・ウォーキングのレビュー・感想・評価
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ちょっと気持ち悪い
つい、スカイウォーキングと言ってしまう
かなりショボいというか、企画倒れな感じが半端ないですね。
ノイズが原作でどう表現されたのか分かりませんがプレンティス首長が、武器にもできると言ってたし、それらしい〝分身の術〟みたいな使い方や記憶を映像化(殺された母親とか)という場面もあったので、もう少し、奥の深い能力だったのではないでしょうか。
それはそうと先住民の扱いがあまりにも雑で残念でした。ノイズが発現する惑星環境での進化を考えたら、『メッセージ』のヘプタポッドのような特殊な言語体系があって、人間なんてただの野蛮な下等生物に見えてもおかしくない、なんて設定でも、私的にはよかったんですけど。
トッドが彼らから学んだ知恵で、争いを解決❗️
宇宙船の人たちとの橋渡し役になって、リーダーに。
なんてのも楽しそうです。
この映画でガッカリしたという方へ
今週公開の映画で挽回するには、マグリナントがうってつけだと思います(個人的な感想です)。
言霊SF
三部作と言いながらも第1章と言ってもいい『心のナイフ』をどんな風に料理するのかと思っていたが、良くも悪くも鑑賞チケット分のSFに仕上がったって感じ。
ノイズの映像化は成功していたと思う。思考が音(ノイズ)となって漏れてしまうだけでなく、まさに言霊として相手に見えてしまう。プレンティス首長が、ノイズを操ってヴァイオラを追い詰めるシーンは、映像ならではの見応えがあった。
地球を旅立って新世界という名の植民惑星で先住異星人スパクルを追い払って安住の地を切り開く。このプロットは、イングランドを捨てて新大陸に渡った清教徒が、先住民のインディアンを迫害していくアメリカ暗黒史そのものだが、スパクルを虐げる内容は、バッサリ切り落とされている。
太陽系外の惑星に馬を連れて行く発想は、日本人の僕には思いもつかない。やはりキリスト教原理主義者には、馬は特別な生き物だとみえる。馬がいた方が、追走劇の迫力が増すからいいんだけどね。
トムホを愛でる作品
心の声がダダ漏れになる男しかいない惑星を舞台に、初めてがいっぱいの男女が出会って逃避行を繰り広げていくSF作品。
心の声や頭で考えたことが全部声のように発せされるので、映画自体もとてもノイジー。慣れるまでは鬱陶しさもありましたが(笑)、キナ臭さ抜群のマッツ・ミケルセンやピュアでキュートなデイジー・リドリー、そして人懐っこさと少年性が母性を擽りまくるトム・ホランドと、俳優陣が素晴らしかったです。
ストーリーは面白みや意外性に欠けるし世界観も薄い印象を受け、映像的にも特に驚くような表現はありません。最後もブツ切り感が否めず、エイリアン的なものが何なのかとか、現状に至った理由とか(一応謎は明かされるけど小さい話過ぎて拍子抜け)、描き切ってほしかった不満もあります。
ただ、とにかく思春期真っ只中でバタバタ慌てたり、恥ずかしすぎる妄想しちゃったり、と思えば腹括って頑張ったりするトム・ホランドが最高なので、彼を愛でる作品として楽しむのが正解な気がします。
マインドフルネスでは止まらない、モンキーマインドをどうするか😹
「ノイズ」って思春期のあんちゃんにはキツいなあ。
地球に人類が住めなくなり宇宙に新たな住処を求め数十年、ある惑星の一つのコミュニティで好き勝手やってる支配者が、新たに地球から入植者がやって来るのを阻止しようとするというのが大筋。
よくあるストーリーだが、他と一線を画す唯一の設定が「ノイズ」であり、これをどれだけ活かせるかがキモと言って良いのだが正直残念であった。
女性がいなくなってしまった経緯をサラリと説明するだけで終り、沼地の怪人や登場人物の中で最もまともと思われる黒人女性が仕切っている村との関係性など鑑賞者へ投げっぱなしの回収無しなのは強烈な消化不良を起こした。
「オール・ユー・ニード・イズ・キル」で同じ時間を繰り返すという最高の設定を徹底的に活かしきったダグ・リーマンはこのジュブナイル感満載の本作を通し一体何を我々に伝えたかったのだろうか。
まあ、デイジー・リドリーの金髪が可愛かったのとトム・ホランドの童貞感丸出しの演技に免じ星は一つ増やしておくけど・・・。
思春期の男の子たちが喜びそうな作品
雨にも負けずノイズにも負けず・・・
いかにもヤングアダルトな世界観にウェスタンとSWが塗り込められた微笑ましい思春期SF
西暦2257年、地球を旅立った人類は2つの太陽を持つ惑星ニュー・ワールドに入植し西部開拓時代のような生活を送っていた。不思議なことにここは考えていることや妄想や想像、寝ている間に見ている夢までが“ノイズ”と呼ばれる現象で可視化される世界。入植者達の村プレンティスタウンでは先住民であるスパックルとの戦いで女性達は皆殺しにされ男達だけの社会となっていた。村の青年トッドはある日近くの森に宇宙船が墜落しているところを発見、唯一の生存者ヴァイオラと遭遇する。初めて女性と出会ったトッドは彼女に好意を抱くが、“ノイズ”を発しない彼女が何を考えているかが全く解らず戸惑う。一方村の首長であるプレンティスとその部下達はヴァイオラを捕獲しようとつけ狙っておりトッドはヴァイオラを連れて村を脱出、ヴァイオラが母艦に救援信号を送るための施設を目指すが、やがてトッドは自分に知らされていなかったニュー・ワールドの秘密を知ることになる。
太陽が2つあるので夜がないなど星野之宣のSF漫画『2001夜物語』のような世界観ですが、原作はパトリック・ネスのSF小説『混沌(カオス)の叫び』3部作の第1部『心のナイフ』ということで冒頭に現れる“ノイズとはフィルターなしの人間の思想であり、フィルターがなければ男はただ混沌の中を歩いているようなものだ。“という言葉がさりげなく醸している通り、観ているこっちが恥ずかしくなるくらいのヤングアダルト風味。こっちの考えていることが相手にバレバレなのに、あの子の気持ちはさっぱり解らない世界って思春期にいる男子のモヤモヤはグローバルスタンダードなんだなとオッサン目線でニヤニヤしてしまいます。ニュー・ワールドといいながらそこにある風景はウェスタンなので入植者がわざわざ馬を地球から連れてきているという設定も微笑ましい。そんなアナクロな世界で俄然存在感をギラつかせているのがプレンティスを演じるマッツ・ミケルセン。どんな作品でも個性を滲ませる名優なので軽薄になりそうな作品をビシッと引き締めています。
主演のトム・ホランドにはBTTFの頃のマイケル・J・フォックスのような初々しさがあって印象的ですが、とにかく素晴らしかったのはヴァイオラを演じたデイジー・リドリー。SWのレイの印象を打ち消すためか髪をブロンドにしていますが、終盤の風景はEP7とEP8となぜかEP5とEP6を足して500でようなものなので、レイにナウシカが憑依したかのような美しさで、EP7〜EP9では絶妙に抑制が効いていたツンデレが全開になった感あり。とにかく眼福でした。
あと何げにサウンドトラックのオーケストラが豪勢。エンドロールによるとブダペスト・スコアリング・オーケストラによる演奏とのこと。その辺もSWっぽさを醸している一因かと思いました。
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