「ベタな美人でないサッシャ・ルスが新しい」ANNA アナ ぐちたさんの映画レビュー(感想・評価)
ベタな美人でないサッシャ・ルスが新しい
美人スパイがKGBを裏切ってCIAに寝返り、その上でKGBも利用して生き延びるという物語。複雑な物語を、しばしば時間を遡りながら見せていくので少しわかりにくい。
時代設定は1991年のソ連崩壊の少し前であり、KGBの部屋に掲げられる旗は、ロシアの3色旗ではなくソ連の赤い旗である。懐かしいと言えば懐かしい。
物語がどうのこうのより、主演のサッシャ・ルスに尽きる。きゃしゃな女子である。ロシアの海港都市、マガダン出身のスーパーモデルということである。
マガダン…。
聞いたこともない町なのでウィキペディアを見てみたところ、人口は10万人ほど、マガダン州の州都であるらしい。そのマガダン州はというと、日本全土より広い46万平方キロの土地に、人口は20万人もいない。モスクワから眺めるとシベリアの向こう、最果ての地である。
不思議な顔をしている。
「美しすぎる」などというネット記事のありがちな形容は当たらない。衣装や化粧、場面によって印象がころころ変わるが、オーソドックスな美人ではない。
しかし、ベタな美人でないことと、そのスーパーモデルが繰り出すアクションのキレが、リュック・ベッソンの提示する新しさなのであろう。
※追記
おそらくサッシャ・ルスより万人受けする美人がアナのパリでのルームメイト役のレラ・アボヴァ(アボバ)であるが、名前を調べるのに少し手間取った。他の脇役の誰よりも印象に残った。この女優はくるのではないか。
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