ANNA アナのレビュー・感想・評価
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ベッソンはこっちのお手軽サイズの方が魅力的
ベッソンの描く世界は大風呂敷広げるより、むしろ最小限で精密に動いていくお手頃サイズの方が断然魅力を放つ。その点、本作の構造はストイックなチェスそのもの。かつて『リボルバー』の脚本でチェスを絡めた趣向も思い出されるが、本作はまさに盤の上で展開する頭脳戦として、みるみる生気を帯びていく。演出や構成に多少ムラがあるものの、レストランで数十人を相手に展開する大立ち回りは、アクション量といい、バイオレンスの突き抜け加減といい、ベッソンらしくて非常に見応えあり。ヒロインにもこのあたりから人間的な魅力が香るようになる。行きつ戻りつの展開についていけるかどうかは観る人の度量次第と言えそうだが、確かなのは3人の名優を前に主演女優が全く見劣りしていない点。いや、これもまた彼らやベッソンの戦略で、彼女に気持ち良く振り回されるているように見えて、それはまるっと全て名優たちのリアクションの妙なのかもしれないのだが。
ぶれないベッソンに喝采。ただし既視感も否めず
「ニキータ」「ジャンヌ・ダルク」「LUCY ルーシー」と闘うヒロインを撮り続けてきたベッソンが、またも女殺し屋の活劇を世に放った。ルックス抜群のファッションモデルを抜擢するのはミラ・ジョヴォヴィッチの例があるが、本作のサッシャ・ルスは過去のベッソン映画の主演女優と比べても美貌・若さ・身体能力の総合点でトップクラスだ。
脚本の特徴として、アナがある決定的な行動に出るのを先に見せ、次に時間を遡ってその行動に至る出来事を種明かしするというパターンが繰り返される。ソダーバーグ監督が多用する手法だが、主人公に欺かれる敵や組織の驚きを、観客も一緒に味わえる。サプライズは増す反面、流れが断ち切られる難点も。
ベッソンが確立したジャンルではあるが、フォロワーと呼べそうな「アトミック・ブロンド」「悪女 AKUJO」などの佳作も増えつつある昨今、大筋を構成する諸要素に既視感を覚えてしまうのも否めない。
批評家の評価は高くないかもしれないですが、それには理由があり、実は名作!
本作は新型コロナの影響で1ヶ月ほど公開がズレましたが、ようやく今週末に公開されるようです。
リュック・ベッソン監督・脚本作ですが、私は正直、彼の作品は合わないことが多い印象です。
そんな中でも、本作は、リュック・ベッソン作品としてはとても良かったスカーレット・ヨハンソン主演の「LUCY ルーシー」並の良質なアクション映画でした。
ただ、気になるのは先行して公開されたアメリカなどでかなりコケてしまった点です。
これは、主に2つの点が関係していると思われます。
1つ目はリュック・ベッソン監督に対する「#Me Too」運動。2つ目は、本作の「独特な作り方」。
前者はさておき、後者は、これから見る上でも大事なので細かく説明します。
まず、本作は本格的な「アクション映画」ですが、割と「実験的な作り方」をしているのです。
具体的には、「時間軸がさかのぼるシーンが多い」というものです。
最初は1985年のモスクワから話が始まります。そこでアメリカのCIAの諜報員がソビエト連邦のKGBによって暗殺されてしまいます。
そして、次の場面では1990年のモスクワに舞台が移ります。
ここで主人公のアナがようやく登場し、マトリョーシカ人形を売っていたところをフランスのモデルエージェンシーにスカウトされ、パリで華やかなファッションモデルとしてデビューを果たします。
そのあとに、「3年前」と時間がさかのぼります。
さらに、次のシーンでは「3年後」となります。
そして、次のシーンでは「半年前」といった感じで、時間軸が行き来するのです。
そのため、おそらく普通の人は、頭の整理がつかない状態になってしまうリスクが出てきます。
(ほとんどの批評家は1回しか見ないので、この段階で評価をしてしまっています)
ただ、これは、「スパイ映画」特有の「実は、この前の時点でこんなやり取りがあり」という仕掛けを見せるためのもので、必要な構成でもあるのです。
とは言え、ちょっとその回想シーンが多すぎる(やり過ぎている)のは否定できないですが…(笑)。
最大のポイントは、あくまで本作は1990年が「メインの舞台」となっています。
ここだけ押さえた上で見てみれば、それほど混乱はしないはずです!
しかも、見終わってからは、もう一度見たいと思える作品になっていると思います。
見どころは、本作で主役という本格的なスクリーンデビューを果たしたサッシャ・ルスの七変化でしょうか。ある時はスーパーモデル、ある時は工作員、など、くるくると役柄が変わっていきます。
その役に応じて「顔」さえも変わっていき、不思議な魅力をもち、今後が楽しみな女優でもあります。
もちろん、「ジョン・ウィック」のような凄まじい体当たりのアクションシーンも見どころです。
基本は「アメリカのCIA」vs「ソビエト連邦のKGB」の作品と考えておけば良いと思います。
アメリカのCIA側は、クリストファー・ノーラン監督作品でよく見るキリアン・マーフィーが務め、ソビエト連邦のKGB側は、アカデミー賞主演女優賞を獲得しているヘレン・ミレンが務めています。特にヘレン・ミレンは、「普段のオーラ」を感じさせない珍しい役柄で登場しているのも注目点でしょう。
本当に惚れ惚れとしました 冒頭~、中盤までは侮って観ていた自分が恥ずかしくなりました リュック・ベッソン監督さすがです!
ANNA/アナ
2019年公開
素晴らしい!あーおもしろかった
終わってもまだ興奮がさめやらないです
表面的には、なんかありきたりのスパイアクション映画
どこか既視感のある展開も多い
ところがどっこい、それは監督の仕掛けにまんまと引っかかっただけ
いきなり本格的スパイ映画を展開してもついてこれないだろ君たち
だからこうしたんだよ
なんかそんなふうに言われた気がしました
本格的スパイアクション映画を久し振りに見た充実感と満足感に浸りました
傑作です
というか、大昔からのスパイアクション映画の歴史を通じて指折りの名作だと思います
かって米ソ冷戦たけなわの時代、スパイスリラー小説のブームがありました
虚々実々、騙し騙され、殺しはない、同業者同士のルールを守った知能の戦いを描いていました
舞台は、本作の冒頭のようなモスクワ市内、あるいはウィーンかパリが多かったです
名作と言われる作品も多数あり読みふけったものでした
それが冷戦も終わり、ソ連も崩壊、そうしたスパイ小説もいつの間にやら廃れてしまい、スパイ映画自体も007のように派手派手しいものなり、遂には最近のような曲芸サーカス映画にまで成り下がってしまいました
本作には、確かに派手なアクションシーンも殺しのシーンも大量にありますが、それは、今のスパイアクション映画がそういうものだからそのフォーマットに合わせてあるだけのことで、本作の本質は騙し騙され、虚々実々のストーリーにあります
それを分かり易いように時を巻き戻して、そのとき、本当は何が起こっておたのかを種明かしするという見せ方をしています
男に美を消費されるだけのモデルが実は女スパイのスーパーヒロインで男を圧倒して胸がスカッとするとか、KGB もCIA も手玉に取っていてすごいという、今時の見せ方もしていますが、これもこういうものが求められているんでしょ?と監督が皮肉を込めてわざとやっているような気がしました
アナが市場で売っていたのはマトリョーシカ
ロシアの入れ子式のこけしみたいな民芸品
そのマトリョーシカのような物語の構造が見事です
終盤は特に見事、一体どうなるのだろうとドキドキしました
オルガも40年前の1985年当時はアナのように若い女スパイに成りたての頃だったはず
彼女もアナのようにリクルートされ、5年で自由になれるといわれてきた人生を歩んできたのでしょう
終盤にこのマトリョーシカが完成する構成の見事さ
本当惚れ惚れとしました
冒頭~、中盤までは侮って観ていた自分が恥ずかしくなりました
リュック・ベッソン監督さすがです!
蛇足
本作の公開3年後
ロシアのウクライナ侵攻
KGB ソ連崩壊と共に無くなったものの今はロシアでFSB と名前を変えてかって以上に暗躍しているようです
終盤、KGB 長官暗殺が行われたビルは、モスクワのルビャンカ広場のKGB 本部ビルです
CG なのか本当に撮影したのか写真で見た通りの姿でした
内部や、無数のファイルキャビネットもそれらしいもので満足できました
オルガが削除キーを押したのはアナのメールの削除だけに見えました
彼女のデータを全部消すとか、あの無数のファイルキャビネットからアナのファイルを廃棄したようにはとても見えません
続編の布石?まさか
本作はこれで完結してこれ以上は蛇足そのもの
まして、ウクライナ戦争が起こってしまった以上、ロシアの女スパイなんか観るのも嫌です
でも、ゼレンスキー大統領暗殺に来たアナが実は、二重スパイどころか三重スパイでラストはプーチン暗殺のお話ならちょっと観たいかも?
アナは今はオルガポジションの中年女になり、新しいアナがリクルートされてるところからのお話なんてどうでしょうか?
サッシャ・ルス綺麗
流れるようなアクション
私という生き方
KGBの殺し屋アナをロシア出身のスーパーモデル、サッシャ・ルスが演じる。彼女のスタイリッシュで無機質な魅力に引き込まれた。
KGBの上官オルガを、上品なオーラを封印したヘレン・ミレンが演じる。迫力ある演技と存在感はさすが。
CIA捜査官レナードを映画「 オッペンハイマー 」で主人公J・ロバート・オッペンハイマーを演じたキリアン・マーフィが知的な魅力で演じる。
ラスト迄飽きさせない展開。
スタイリッシュで面白かった!
BS-TBSを録画にて鑑賞 (吹替版)
見終わった後の幸福感
リュックベッソン監督作品と知らず鑑賞。
チープさを感じながらも、時を遡り現在に至る道筋を示しながら展開し、分かり易く飽きさせない。
主人公の魅力にも惹きつけられた。
ラストもどう収束させるのかドキドキしたが、そうきましたかと、ニヤリ。
ほっとしました。
ノンストップ凄腕アクション
女性の殺し屋カッコイイ見てて興奮だ!84点
KGBとCIAの板挟みにドキドキ!
KGBとCIAの板挟みにずっとドキドキ!
KGBのオルガ、CIAのレナード、どちらも頭が良いので騙し合いが面白い。でも一番のキレ者はアナ、最後にオルガをハメて気持ち良かった。
時系列がコロコロ変わるので、パズルゲームのように楽しめる。単調になってしまいがちなアクション映画を、編集とどんでん返しでうまく料理したのは見事。
「男を信じたらこのザマよ」「男なんか信じちゃいけない、自分を信じるんだ」
アレクセイがアナをKGBに誘うシーン。恋人に暴力を振るわれる、クソみたいな生活を抜け出すためアナは誘いに乗る。暴力に苦しんだのに、暴力の仕事をこなすのは相当なストレスだったろう。そうまでしてでも自由を手に入れたい、アナの自由を願う思いがひしひしと伝わってきた。
アナはアレクセイとレナードのこと本気で好きだったのかな。男に懲りたはずだから、レズの彼女と結ばれると思った。最後にアレクセイとレナード、どっちも振るのクールでカッコイイ。「男なんか信じちゃいけない、自分を信じるんだ」アレクセイの言葉通り、アナにとっては男よりも自由が上だったのね。何かを犠牲にしてでも、自分の望みを手に入れる。アナの心意気を見習い、私も夢に向かいたい。
タイトルなし
時間を進めては戻すを繰り返し、ドンデン返しを何度も観せてくれる展開が楽しい。ラスト、公園での三者間の睨み合いは本当にワクワクした。
ただ、最近のスパイ映画の基準からするとアクションは少し低調。また、カモフラージュの恋人とは言え女恋人への冷たい扱いが少し可哀想だった。自由になった暁に、最後は2人でラブラブみたいな展開を予想していたがハズレた。
アナが若い頃のミラ・ジョヴォヴィッチにソックリで、やっぱり監督の好みの顔なんだなと思った。
同じ穴の狢
リュック・ベッソンが描く世界を操る2大組織女スパイ
世界を操る2大組織KGBとCIAの脅威! 『ニキータ』『レオン』『LUCY/ルーシー』でを世に送り出し、『TAXi』『96時間』シリーズをプロデューサーリュック・ベッソンが描く頭脳明晰でハイスピードの身体能力を誇る殺し屋アナ。未来や過去に戻りながらストーリーが展開していく。男を操り、戦略は女性が握るスピードアクションはファッションも見所。
国家にとって危険なターゲットを消し去る。
アナに魅了されていく3人の男の動きも楽しい。
ベッソン作品は最後まで目が離せない。
ニキータの良いところをギュッと濃縮した作品。
舞台は1990年のモスクワ。モデル事務所にスカウトされた女子大学生は、すぐに一躍有名になる。事務所の共同経営者と交際を始め、直後、物語は次々と展開していく。
個人的には、麻薬中毒の彼とボロボロになり、自宅に戻った時にスカウトマンと出会い世界が変化していくシーンが印象的。
大雑把な娯楽映画
今夜ネトフリで視聴しました。
イントロから暫くの展開は、あまりの猛スピードで付いて行けないほどの早さで、危うく“クソ映画認定”する所でした。
がそれ以降、ストーリーが進むに連れ引き込まれて行き、結局エンドクレジットまでスマホを弄ることも忘れて観終えてしまいました。
アクションシーンも『ジョン・ウィック』シリーズには劣るものの、女性スパイならではの魅せ方で超クールでした。
マイナスポイントは、もう少しダイエット出来そうな120分近い長尺と、主人公アナのオモテの顔が露骨に目立つモデルである事。殺し屋を兼ねたスパイなんだから、地味な方がいい筈なんですが、演じたサッシャ・ルスさんの本業がスーパーモデルだから、そこはどうしても外せなかったんですかね(笑)
ともあれイントロで騙される所でしたが、良作です!
KGBとCIAの小競り合いが好きな方は特に必見です!
これはおもしろい!
本職モデルで違和感なしの美人でスタイル抜群。アクションも上手いけれどやはり練習して体得?(ネットで見るとスタント無しでします、と言う意思の元4ヶ月練習リハーサル、あざだらけになって撮影に臨んだそう。)さすが、あのレストランでの立ちまわりは男性でもなかなかだと思う。凄い。何度もどんでん返しがあり最後はやり手の男よりも百戦錬磨の女ボスが自身の上昇志向とアナの自由の為に計画実行。これで八方めでたしめでたし。KGBとCIAが顔を突き合わすのは無いな。これが男性の主人公ならあまり面白くないと思う。アナのチャーミングさもいい。
リュック・ベッソンやっぱりいい!
CIAとKGBの間を行ったり来たり
拙なら今どっちの味方やったっけ?と迷うわ。
リュック・ベッソンのアクションは
相変わらずのキレッキレ。
これ製作時期はアトミックブロンドやレッドスパロー
と同時期なのに被るのを防ぐため
ちょっとずらしたらコロナでさらに遅れてしまい
新鮮味がなくなったのは残念。
70点
アレックスシネマ大津 20200618
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