「「余命宣告」を受ける幸せ」グッバイ、リチャード! にゃろめさんの映画レビュー(感想・評価)
「余命宣告」を受ける幸せ
クリックして本文を読む
冒頭、リチャードが余命半年と告げられる。
リチャードは過去を振り返るでもなく、
(いわゆる余命宣告映画のように)残りの人生を謳歌するでもなく、
「より良くしぬために、より良く生きること」に決めた。
ラストシーンは好みではなかったが、
途中まではとてもよかった。
残念なのは、余命前のリチャードの人柄を特に表す
描写がないため、余命後どのように変わったのか比較ができない。
各エピソードにも、分かりやすく「リチャード最近変わったな」という
シーンがないからよく分からない。
今まで、夫ぽく、父ぽく、教授ぽく”こなしてきた”リチャード”だと
仮定して、”ぽく”生きるのを止めて自分らしく余命を生きる
決意したのは非常に好感が持て、共感できる。
自分らしく死ぬために。
全体的にセリフや行動に皮肉が効いていてとても良かった。
とくに、各章の副題のセンスがとても良かった。
こういうのをユニークでもコメディでもジョークでもなく、
フランス風にエスプリとでもいうのか。とても良かった。
ラスト近くなると、そのエスプリ具合が弱くなり、
皆を諭すように「よりよく自分らしく生きろ」と
感動的に話始める。
そのあたりから映画的につまらなくなってくる。
そしてラストシーン。
T字路に差し掛かり、右へ曲がれば〇〇、
左へ曲がれば××のような場面。
リチャードは道のない直進を選ぶ。
・・・ダサい。
「そしてリチャードは予め用意された道ではなく
自分の道を貫いた」的な?
・・・ダサい。
もっと皮肉を効かせてほしかった。
と、皮肉を言ってみた。
コメントする