「余命を宣告されていっそう自由奔放な大学教授!?」グッバイ、リチャード! 清藤秀人さんの映画レビュー(感想・評価)
余命を宣告されていっそう自由奔放な大学教授!?
病で余命を宣告された主人公たちは、様々な方法で人生の最後を締め括ろうとする。ジタバタせず時の流れに身を任せたり、自暴自棄になったり、旅に出たり、等々。しかし、ジョニー・デップが演じる大学教授のリチャードの場合は、ちょっと違う。自分のゼミを受講する学生を片っ端から追い出したり、酒やドラッグでヘロヘロになったり、××××したり、等々、自暴自棄に自由奔放さと、常に真顔な分、独特のユーモアと、さらにペーソスが追加されるのだ。何よりも、常識にとらわれない破天荒な行いは、役の設定を飛び越してジョニー・デップ本人をイメージさせて独壇場なのだ。惜しむらくは、前半のぶっ飛びぶりに比べて、後半が若干凡庸な展開になること。だが、それも含めて、キャラクターアクター(性格俳優)と呼ばれて久しいジョニー・デップならでは個性が詰まった久々の日本公開作なのだった。
コメントする