「ドキュメンタリーの題材として最適すぎる人物」ディエゴ・マラドーナ 二つの顔 regencyさんの映画レビュー(感想・評価)
ドキュメンタリーの題材として最適すぎる人物
エミール・クストリッツァが溢れるマラドーナ愛を全面に押し出して撮った『マラドーナ』とは異なり、こちらはイタリアのナポリチームに移籍した84年から91年までの記録に密着。
残されたフィルムに刻まれた栄光と挫折、天国と地獄の紆余曲折は正にドラマチック。「サッカーは騙しのスポーツ」と自身が語るように、あの“神の手”も故意だったことをあっさりと認め、黒い交際も女性問題もなんのその。
こんなにも嫌われる要素を持ちながら、“マラドーナ教”なる教祖として崇めたてられる悪童。そりゃドキュメンタリーの被写体として追っかけるには面白すぎる。
ただ、ナポリ時代の7年間に特化しすぎて、彼の“今”にほとんど触れられていない構成は、やはり物足りなさを感じる。
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