「歯切れが悪い」ルース・エドガー 赤足さんの映画レビュー(感想・評価)
歯切れが悪い
17歳で学校の模範的で誰からも慕われるのルース・エドガーの知られざる内面を描いた。人間の内面を探るかのような見る人にとっては多角的でありどう捉えるかの観点で見解は分かれる作品。
観客の想像力にお任せするかのようなシーンが所々にあり、終始緊張感漂う雰囲気等でもう少し何かしら有るのかと思っていたけれど、アッサリ幕切れとなってしまったのは少し残念である。
自分的にはそこまで響くもの見えなかった。同じアフリカ系の女性教師ウィルソンと対立する部分も、社会的に今問題となっている部分とも重なるところあるものの、レポートでルースが危険な思想に染まっているのではというウィルソンの疑惑は、ルースの養父母にも疑念を生じさせドラマを盛り上げる材料ともなっているのだけれども、出来ればもう少し彼の生い立ちについて掘り下げていたらルースエドガーに感情移入はでき終始軽くは見えなかったのかもしれない。結果としては、頭のいい悪ガキが教師を陥れるだけという見方に自分としては見えなかった。
違った見方という点では、ルースの行動の一挙一動に意味がありそれを嘘か本当か見抜こうとするところに、この作品への真意があり。人間関係への個人への見解や関わり方を深く考察し、自分の身に置き換えるという事なのかと思えたが
個人的には見終わり後味がよろしくなく、そこまで深く考えさせるには至らなかった点ではもったい作品かと感じた。
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