「他者の求める役割」ルース・エドガー 外は雨さんの映画レビュー(感想・評価)
他者の求める役割
誰かによって担わされる役割。優秀な有色人種としてその悲惨なルーツと共に聖人の如く求められるその人物像。女性は弱く被害者であるという告発の要求。どうしても今世界で巻き起こっている事を想起せざるを得ない。
有色人種であるがこの国では多数派である日本人として、この映画を観る。日本でも今世界で起こっているデモが行われたけど、わたしは日本で行われたその運動に違和感を感じていて。それはそのデモで訴えた事は、誰かが望んだ加害者と被害者という役割を誰かに都合よく担わされたものではないのか?と。
エリトリアからのアメリカ移民となって、名前を変えた美しく聡明なルースが、懸命に喘ぎながら顔を歪めて走るその姿。
音楽がとても奇妙だったんですが作曲家のベン・サリスベリーとポーティスヘッドのジェフ・バーロウだったんですね。なるほど。ひとつは完全に均衡の取れたバッハのようであり、ひとつは原始的な地からの声が響く。
コメントする