劇場公開日 2020年6月1日

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「タゴールのことを何も知らなかった自分を恥じる」タゴール・ソングス 駒井尚文(映画.com編集長)さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5タゴールのことを何も知らなかった自分を恥じる

2020年7月2日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

単純

知的

「タゴール」はインドの詩人ですが、私にとっては神楽坂の飲み屋の記憶です。昔、神楽坂で夜中まで営業している「タゴール」というエスニックなバーがあって、20代の頃よく酒を飲んでました。

このドキュメンタリー「タゴール・ソングス」を見ると、タゴールがどんな人物で、どれだけインド、バングラデッシュ(=ベンガル地方全域)の人々に愛されていたかが分かります。ノーベル文学賞を1913年に受賞したといいますから、ボブ・ディランの100年前に偉業を達成した伝説のミュージシャンと言ってもいいでしょう。詩人ですが。しかしこの映画を見ると、彼が受賞すべきだったのは、ノーベル文学賞ではなくて、平和賞じゃないのかとすら思います。それほど、タゴールのベンガル人への浸透度は深くて大きい。これだけ人々に愛された偉人の生涯を、恥ずかしながら、まったく知りませんでした。

思えば、神楽坂のタゴールでは、インドのお香とともに、タゴールの歌が毎晩BGMで流れていたかも知れないのに、まったく記憶にない。そしてこの映画で流れるタゴール・ソングも、一曲として知ってる曲がないという……。なんだか「勉強やり直し」って気分になりましたね。

駒井尚文|映画.com編集長