劇場公開日 2020年6月26日

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「短編を見た後だと、どうしても・・・」SKIN スキン バリカタさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0短編を見た後だと、どうしても・・・

2020年12月25日
PCから投稿

テーマは似て非なるもの。
短編で扱っている「レイシズム」というテーマは変わらずですが、
長編ではレイシストから脱却した人の実話をベースにしていることもあり、メッセージ性が薄まった感じです。

短編はそのものズバリ「人種差別反対」のメッセージ。
長編は甘い蜜を与えて入党(と言っていいのかな?)させ、洗脳された人の
人生を通しての「人種差別団体への批判」というような具合になっている気がします。

本作ではどこまで本当の話に近づけているのかはわかりませんが、
団体の内情や増員方法、あまりに残酷な活動が明らかになります。
これを知るだけえでも価値はあります。
そして、その団体に真っ向から楯突くことをせず、地道に改心させる活動を
行っていた方がいたことも。
拳を交えることなく差別団体の弱体化を図っていたなんて、そんな事実があるなんて
全く知りませんでした。(全てではないとは思いますが)

さて、実話であれば致し方ないのですが、主人公の洗脳が解けていく経緯がどうにも
軽く描かれすぎなんじゃぁないか?と。
え?そんなにあっさり切り替えられる?って感じ。でも事実そうだったのかも?
でも、雑な感じが拭えないんだよなぁ。それと、三娘の母親のヒステリー感、自分のことしか考えていない物言いがどうにも腹立たしかった。

・・・とまぁ、気になる部分がレイシズムうんぬんよりも、人種差別団体で生活してきた男が、どのようにそこから抜けたのか?というストーリーに関しての印象が強くて、
「うーーん」って感じなんですよね。

僕としては、短編の世界をどんどん膨らませて作品として欲しかったなぁと思いました。

バリカタ