劇場公開日 2020年9月4日

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「これはこれで」宇宙でいちばんあかるい屋根 茉恭(まゆき)さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0これはこれで

2020年9月5日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

まず、無駄なBGMがないのがすごくいい。昨今の作品はこれでもか音楽が多すぎて辟易していたので、ここですでに好感が持てた。
そしてインスタの画像加工にでも出てきそうな、
青緑の色彩が藤井監督の好みなのだろうと思うし、
清原果耶の雰囲気とぴったり合っていたと思う。

そしてキャスティングも適任が多かった気がする今作、
桃井かおりがこんな良い出汁が出た老婆を演じたのも素敵だし、
誠役の醍醐虎太郎も少ない出番で、印象に残すような演技はよかったと思う。
見せ場のない吉岡秀隆も新鮮だったし、
序列を完全に無視した演出にニヤニヤが止まらなかったりもした。
しかし適任は適任でも伊藤健太郎のいいひと役は、そろそろ飽きてきたとも感じた。悪役やらせてあげてよ。

内容はよくある話に現代っぽいものを脚色した感じがしたし、
藤井監督自らがどうしてもと思った作品ではないだろうと思ったし、
大人の事情がたくさん含まれたものだろうと思うけれど、
演者がうまくフォローしているので、これはこれで。

しかし17歳が14歳の役をやっても多少の違和感を感じるのは否めず、
それほどに多感な時期を表現するのは難しいんだなと思った。

茉恭(まゆき)