佐々木、イン、マイマインのレビュー・感想・評価
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緊張と弛緩
少年時代の記憶を刺激してくる作品で、絶賛の声も多いと認識してたけど 僕にはちょっとハマらず。そういや「桐島部活~」もハマらなかったなと思いながら見てた。 ちょっと大げさだけど自分の人生とか人格だとかをかえりみるとき、 やっぱりどんなタイミングで誰と出会ったかはすごく大事だと思うんです。 「多感」だなんて言葉に収まらないほど混沌とした自意識の少年期を経て いまいち大人になりきれてないまま社会人になってくみたいな。 友達もそうだし、そういう出会いの大切さとか尊さみたいなものは しっかり伝わってくる作品だったとは思う。 でもそうは言っても「横道世之介」「花束みたいな恋をした」は超えられなかった感。 ラストシーンの締めかたがちょっともったいなかった感じがしてしまった。
基本的にずっとギャグだったけれど,最後の泣き所に見せかけた部分もパ...
基本的にずっとギャグだったけれど,最後の泣き所に見せかけた部分もパロディ的な意味でギャグだった.軽妙なタッチで描いているのは社会問題化と思いきやそんな深みは特になくって,もちろん弱い立場の人間が再生産されているとかそういった話はあるけれど,物語の中で特別それを批判する文脈もないし,主人公は俳優になるという目標に向かってきちんと前に進むことが出来ている.カップ麺しか食べ物のないはずの佐々木はスポンサーのついた新品のこぎれいな服を着ているし,思いを伝えるために主人公は走り出すし,楽しんでみていたらそれなりにいいんじゃないかしら.最後の雑なオチも,佐々木という人物の描き方にはあっていて不思議と悪くはない気もしていた.
異様なまでの明るさで
佐々木の死は消極的な自殺だ。夢も希望もない暮らしの中で現実を直視するのが恐ろしくて異様なほど明るく振る舞う姿が痛々しい。
赤ん坊を抱くシーンは、消えていく命と新しく生まれる命を目の当たりにした裕司が感情を溢れさせる感動の場面なのであろうが、嫌がる子供をいつまでも抱き続けているのが不自然で、こちらを泣かせようと狙っている感じがしてしまった。
誰しもの記憶の中にいるであろう、明るい笑顔のあの人も、もしかしたら人には言えない孤独を抱えていたのかもしれない。
過去の友人を思い出す
年を重ねて高校の頃の馬鹿な思い出を栄光のように語り出す。そんな経験は誰にでもあり、この映画に自分が重なる。 そんな栄光のように語られるおちゃらけた佐々木の暗がりな部分に孤独を強く感じる。 友達が何度も佐々木、と言うし佐々木コールを見ていると映画の中で見ている側も佐々木!と思うことだろう 最後のシーン主人公が舞台に出る姿がやけにカッコよく見えた。乗り越えた人の表情なんだと思った。 主人公のおばあちゃんが甲州弁を使うので地元が舞台かなと思ってたらあまりにも地元で吹き出しそうになった。
好きな空気感の映画ではある。
「佐々木」を好きかどうかで評価が分かれるんだろうなぁ。 と思いつつ、脚本的にも「青春その後」的にも良くできていて、 音楽なんかのセンスもよかった。 でも結局「佐々木」なんだよなぁ。 という映画。 ちなみに私は「佐々木のような奴」は好きではない。 すぐ脱ぐやつ。部屋きたないやつ。 パチンコ大好きなやつ。 クサイこと言うやつ。 いいところもある。 カラオケの選曲いいやつを誘いたいが、 ナンパはしたくないところ。 高校時代の仲いいやつは、 佐々木がいるから仲いいんだ。 3人じゃきっとギクシャクするんだ。 そういうやついたなぁ。 とか思い出しちゃう。 と、映画を思い返してるとやっぱり「佐々木」すきかも。 なんか悪いシーンとか書こうと思ったけど止めておく。 きっと佐々木から影響受けたからだな。きっと。
前半、後半、エンディング・・・
心が揺さぶられた。これほどまで前半、後半、そしてエンディングと印象の異なる映画も珍しい。見終わって良く練られた映画だと思った。佐々木と言うキャラが強烈なトリックスターとして、この作品を回していく。後のドライブマイカーにも通じる様式も見て取れる。映像作品として斬新でありながら青春群像劇としてきちんと成立しているところが凄い。
佐々木のキャラが良い。監督の主張はわからないが、こんな友たちいると...
佐々木のキャラが良い。監督の主張はわからないが、こんな友たちいるといいな、と思わせる。映画としてうまい訳ではないが、キャラクターの魅力に尽きるな。
生きるのは難しい
映画館では見損ねて、DVDにて鑑賞。 高校時代の同級生・佐々木を、十年あまりたった時点から振り返って回想するストーリー。 といっても回想するメインの男(藤原季節)もまだ生き方が定まらず、同棲中の女の子とも近く別れる予定で・・・と、要するにまだ生き方を模索中の男が主役だからこそ、佐々木の生き方が忘れられなくなるわけでしょう。 悪くはないけど、ラストの奇抜さを除くと、ありがちな映画かなと思いました。 女優では、佐々木とカラオケで知り合う女の子を演じる河合優実が良かったかな。 私の中三のとき、ちょっと佐々木と似た奴がクラスにいた。 やったらバカやって、生徒たちの一方の中心にいる男子生徒。 でも卒業後の進路が違うから、私とはしばらくご無沙汰だった。 彼は工業高校に進んで、やがて地元で就職。 私は普通高校を出てから地元を離れて大学生活を送り、やがて地元でもなく大学生活を送った場所でもない第三の土地で就職。 彼と再会したのは、卒業後20年以上を経た同窓会の席上。 妙に大人しくなっていて、まだ独身なんだと称していた。 でもそれはウソ。その次の同窓会では、従姉と結婚して子供も二人いると正直に告白。 なんで最初から本当のことを言わなかったのか、よく分からないが、昔の自分を振り返って照れていたのかも知れない。 でも、そのまた次の同窓会で、彼が息子を亡くしたことが判明。 バイクの事故だったらしい。 気の毒だとは思ったが、息子が彼に似た性格なら、ありそうだなと思った。 彼や私が中三や高校生だった1960年代後半から1970年代初頭、日本はまだ貧しくて普通の庶民にはバイクは高嶺の花だった。 だから彼も死なずに済んだのかも知れない。 なまじ経済大国になってしまった20世紀末の日本では、彼のようなタイプは生きることが困難になってしまったのかも知れない。 この映画を見て、そんなことを考えた。
う〜ん…
あんましやった 中途半端な感じ凄いする 他の人のレビューとか見ると評判いいけど そんなにいいとは思わんかった 佐々木みたいな奴今までにおらんかったし(酔うと脱ぐ奴はおったけど) 演劇もなくて良かったかな 途中も最後のも ただ役者の演技は魅力的に感じた場面もあったのでそこだけは良かった
出来ないからやるんだろ?
これまたタイミングが無く見れなかった作品。 評判は良いので、そこそこ期待して鑑賞。 もちろん、これもレンタルです笑(100円だったから) いいじゃん。面白い。 今年公開された「くれなずめ」に雰囲気めちゃくちゃ似ている。男臭い青春映画って、やっぱり居心地良くて楽しいなぁ。こりゃ映画館で見たかった。 藤原季節はらしさ満載。こういう映画に出がちだけど、全部ハマる。映画の雰囲気自体藤原季節っぽいし。この人の涙、すごく響くのよね。萩原みのりとの相性も良くて、何があったなんてわかんないんだけど応援したくなる。悠二が深みのある面白いキャラクターで、言葉に表すのは難しいがとにかくいい。焚き火のように盛んに燃えている訳じゃない。タバコの火のように薄らと燃えている。そんな人(伝われ) お初にお目にかかります、佐々木を演じた細川岳。いやぁ、すごい。理由なんて無いけど、この佐々木という人物が愛されるのがわかる気がした。そう思わせる細川岳の大胆かつ繊細な演技よ。謎のオーラがある。人を引き寄せる何かがある。この世で1番生命力に溢れている。素晴らしい役者で、素晴らしいキャラクターでした。 特段変わったことが起きる訳でもない。 基本ずっと平穏な日々を描いている。 なのに、ずっと見れる。ずっと面白い。 クスッと笑える場面や共感できるシーンが多くあって、見応えもあるし心揺さぶられる。くれなずめよりもいい青春映画だった。 ただ、インパクトは弱いかな。 これ以外は特出した所もないし、平凡で単純な映画。予想ができるし、映画としてどうかと思う部分もある。回収しきれていないネタがいっぱいあるし、感情移入とかは出来ない。 でも、いい映画でした。 こういうミニシアター系の映画、最近本当に面白いよね。良作が多い気がします。
佐々木が好きかと聞かれたらうーんと詰まってしまうが
何だろう…一色まことがコミカライズしたら合いそう。あの、カッコいいのかカッコ悪いのかうまく説明できない感じが。 触媒みたいな人って得てして本人は上手くいかなかったり…する? 所々でハッとするところはあるものの、全体としてはあまり好きではないかな。藤原季節くんはさらに売れそう。
全てが圧倒的!!!!!!
予告を見て、これは良さそう…と気づけた自分を抱きしめたい!!! 演出、配役、文句のつけようがない! 藤原季節さんもとても素晴らしかったが、心に残るのは 佐々木親子!!! この方達のような俳優が、一番見たい。尊い。 たまらない。素晴らしい。 田舎の閉塞感、希望のない感じ、シチュエーション、編集、やりすぎてない感じ、なんて素晴らしい監督なんだ!!! 久々に震えました。
俺の人生にも佐々木がいたかもしれない
面白い映画を探すときによくYoutubeで映画系ユーチューバーさんが投稿している「今年の映画ベスト5」みたいな動画を参考にするんですけど、本作は「2020年の映画ベスト5」に数名の方が名前を挙げていた作品でした。
めっちゃ見たかったんですけど地元の映画館では上映していなかったため、DVDのレンタルが始まった今のタイミングでの鑑賞になりました。内容に関する事前知識はほとんどありません。YouTubeで本作を紹介している動画をいくつか見ましたが、やはりネタバレを気にしてか内容に関する話をしている人はいませんでしたね。
結論から言えば、かなり私に刺さりました。
高校時代の友人に、本当に佐々木っぽい人がいたので凄い既視感がありましたし、感情移入して観ることができました。果たして彼は本当に「クラスのお調子者」だったのか、「集団心理で道化を演じていた普通の学生」だったのか。今の私にはもう分かりませんが、ふと思い出してしまいました。
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俳優を志して上京したものの全く芽が出ず、仕事も恋愛も上手くいかずに自堕落な日々を送っていた石井悠二(藤原季節)。ある日高校時代の友人である多田(遊屋慎太郎)と再会したことをきっかけに、高校時代にクラスの中心的人物だった友人の佐々木(細川岳)のことを思い出す。悠二は役者の後輩に誘いを受けて舞台に出演することになるが、舞台の内容が高校時代の記憶とリンクし、段々と佐々木との日々を思い出していく。
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完全に余談なんですが、鑑賞中に悠二の元カノとして登場する女の子がめちゃくちゃ可愛くて「どこかで見たことあるな」とずっと気になっていました。鑑賞後に調べてみて分かりましたが、『街の上で』で自主製作映画の監督をしてた映画サークルの女子大生の高橋さんを演じてた女優さんですね。萩原みのりさん、名前覚えました。
高校時代に仲良しだった友人グループの一人に再会したことで高校時代を思い起こすようになった石井。クラスの中心人物で高校時代の友達グループの仲間でもあった佐々木との思い出を思い起こし、それが現在の自堕落な石井に重なっていく。物語の構成が面白かったですね。
作品の雰囲気としては大きな盛り上がりどころは特にない生々しい日常を切り取ったような感じです。先日鑑賞した『街の上で』も似たような雰囲気の作品だったんですけど、『街の上で』はお洒落気取りで独特な雰囲気と全く笑えないのに妙に尺が長いギャグシーンが個人的に全く理解できなくて苦手でした。しかし本作『佐々木インマイマイン』は男子高校生のバカバカしいノリとか意外に繊細な男子高校生のメンタルとか、そういうのが共感できて個人的に刺さりましたね。雰囲気は似ているしレビューサイトでの評価はどちらもかなり高いんですけど、ここまで個人的な評価が違うというのは私自身も驚きです。もしかしたらこの手の作品は、観客のバックグラウンドによって評価が全く異なるんじゃないかと思い知らされました。
非常に面白く、パワーのある作品でした。結構賛否分かれそうな描写もありますが、刺さる人は多いと思います。オススメです!!
振り返れば奴がいる
20代社会人の半人前感、適合しきれていない焦燥感の現れか。赤ん坊に諭され、前を向く。振り返れば佐々木がいてくれる。タイトルの通り主人公の心に住む佐々木。地元に居続けて何も成長しない。実際の佐々木が成功しようものなら、違う者を心に住まわせるのだろうか? 線路沿いの自転車シーンは、CMのようでもあるが、それでも映える。
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