「ほんのりと切なく、タバコ臭く、元気をもらえる作品」佐々木、イン、マイマイン くまくまもんもんさんの映画レビュー(感想・評価)
ほんのりと切なく、タバコ臭く、元気をもらえる作品
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なあなあで大人になってしまったんだろうなあという主人公の今と、決して華やかではないが仲のいい4人組で過ごした青春時代の回想が交差しながら、作品は終点へと向かっていく。大人の主人公も、回想の中の佐々木も触れたら爆発してしまいそうな、どこか危うい雰囲気を漂わせていた(佐々木は大人になってもだが)。
佐々木が死んで、元カノとのお別れを決意し、まるで爆発したかのようにロンググッドバイのセリフを叫びながら走り出す主人公。そして最後に爆発したかのごとく飛び出す佐々木。それに拍車をかけるようになされる佐々木コール、車のクラクション。最後のシーンが現実なのかフィクションなのか定かではないが、いずれにせよ彼らの心の中にはいつだってどこかに佐々木が、今にも服を脱ぎだしそうな、そんな躍動感のある「いきた」状態で存在していることの表れなのではないかと感じた。
明るく元気でお調子者で、でもどこか心の内に秘めた思いを抱えている佐々木。私が中高生の時にいたお調子者は、本当にただのバカだったのか、それとも…、などと当時を想起しながら、男子特有の青春に淡い憧れを抱いた作品であった。いつか私も自分自身へのさよならへとたどり着けるよう、えらいスピードで進んでいく世界についていけるよう、頑張って生きようと思う。
それにしても主人公がめちゃめちゃ喫煙者。画面越しにタバコのにおいが服に染みついた気がする。
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