劇場公開日 2020年11月27日

「傑作です。 20代後半の私にはめちゃめちゃささりました。 でもどん...」佐々木、イン、マイマイン ハンキチさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5傑作です。 20代後半の私にはめちゃめちゃささりました。 でもどん...

2020年12月30日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

傑作です。
20代後半の私にはめちゃめちゃささりました。
でもどんなひとでも多かれ少なかれシンパシーを持てる作品と思います。

今作で描かれるテーマのうち自分に特に響いたのは、『人生はときに残酷なまでに一方通行かつ連続的なものだけど、人はそれにささやかでもあらがっていける。幸せに向かうことのできる存在である(そうあってほしい)』ということだと感じました。

私は『過去の選択の積み重ねが現在を作り、現在の決断が未来を創っていく』という一見前向きな人生観があまり好きになれません。
現状が望まないものであればあるほど、大切な思い出の価値は損なわれ、バッドエンドへの布石に成り下がるからです。
今作で描かれる”もう会わなくなった友人とのくだらないがかけがえない日々”と”ゆるやかに窒息していくような閉塞感を抱えたいま”との対比のなかで、そんなことを考えていました。

佐々木の結末にだれよりも涙を流していた多田のいう「だれもなにもわるくない」という言い聞かせるような発言がやさしく、心が震えました。

たたたた